アルト フロンテ ジムニー ワゴンR… ユーザー第一で歩んだスズキの100年戦記(前編)

■閑話休題 厳選! 心に響く鈴木修会長 語録

・「ぺしゃんこに潰されるのは嫌だから、“この野郎”という気持ちで挑戦し続けてきた」
・「机の上で評論していちゃ駄目。やってみなさい、試してみなさい」
・「安くするために軽くするという考え方は、スズキのクルマ作りの原点。車体が1割軽くなると、コストも1割安くなる」
・「1円刻みでものは考えなければならない。1円ですよ、勝負は」
・「他のせいにせず、足元から節約を考えろ」
・「危機は常に社内にあり。苦境に立たされれば立たされるほどファイトが湧いてくる」
・「今やっていることを、全部ひっくり返してみよ」
・「人と同じ事はやらない。やるなら世界一を目指すのがスズキ」

鈴木修スズキ株式会社代表取締役会長(CEO)
鈴木修スズキ株式会社代表取締役会長(CEO)

■1980年~1999年 スズキ名車 5選

(選出&TEXT/国沢光宏)

●走りの楽しさ、画期的モデルも登場したこの20年で、国沢光宏氏が選ぶ5台がコレ!

 今までハンドルを握ったスズキ車のなかで一番の「超いいね!」は初代アルトワークスであります! もう驚きの連続といってよい!

●初代アルトワークス(1987年)

「最近のターボモデルよりずっと元気」と国沢氏、絶品評価。ドライバビリティも文句なし

 550ccエンジンから64psを引き出していたのだけれど、決して高回転型のドッカンターボじゃなかった。

 中回転域から太いトルク出し、ドライバビリティだってモンクなし! 何より610kgと軽量。最近のターボモデルよりずっと元気である。もちろんマニュアルミッションだ。

 さらにすばらしかったのがハンドリング! 現行アルトワークスに乗ると腰高でサスペンション硬く、それでいてイン側が浮き上がるようなロールするため横転の可能性出てくる。

 初代ワークスときたら今より車幅狭かったのに、しなやか&適当なロール(イン側浮くのでなく外側が沈み込む)してくれ、今より元気よく走っても怒られなかったワインディングロードを気持ちいいペースで走ってまったく問題なし。ひたすら楽しかった。

 2番手が2代目ジムニー。

●2代目ジムニー(1981年)

初代に引き続き2代目も選出。2代目の途中から660ccに。「そのあたりが最もバランスいい」と国沢氏

 初代もスパルタンでいいクルマだったものの、個人的に2ストロークが臭くてダメだった。2ストの排気ガス、どうにもならないくらい臭い!

 2代目の途中から660ccになるのだけれど、そのあたりのモデルが最もバランスよいと思う。車重だって820kgと軽く、マニュアルミッションを選ぶと元気よく走ってくれます。2代目ジムニーでいろんな山に行きましたね! 楽しかったっす。

 3番目は初代ワゴンR。

●初代ワゴンR(1993年)

その後の軽自動車界を変えたといっていい初代ワゴンR、やはり選出! 当初はあまり売れなかったが…

 スズキ自身、それほど売れると思っていなかったという。開発スタート時の月間販売目標台数、たった500台と聞きました(開発進むに従って増えていったそうな)。

 当時、この手の軽自動車のニーズがあるとみなさん予想していなかった、ということでしょう。スペースユーティリティ驚くほど優れており、私も素直に「凄いですね」と感心。冷静になって考えると初代ステップバンが元祖か?

 4番目に初代エスクードノマドを挙げておく。

●初代エスクードノマド(1990年)

乗用車風SUVの元祖的存在。おかげでRAV4も生まれた!?

 1990年に追加された5ドアのノマド、当時としちゃ頑張った100馬力の1600ccエンジンに4速ATを組み合わせ、やがて世界的ヒット車種になっていく乗用車風SUVの元祖といってよかろう。

 エスクードあったからRAV4が出てきたし、ノマドを見てフォレスターも生まれた。私の大好きなモデルであり、いろんな企画を作っちゃノマドでいろんな場所に行ってました。

 5番目がカルタス1300GT-i。

●カルタス1300GT-i(1986年)

退屈な標準モデルが豹変した速すぎるホットハッチモデル

 当時の我が国はホットハッチブーム。スズキも出遅れちゃなんねぇとばかり、1300ccのツイカムエンジン作ってカルタスに搭載したのである。

 ノーマル車はまったくツマらんクルマだったものの、田嶋伸博さん(モンタジです)がラリーカーに仕立てアジパシなどへ出場したのだけれど、驚くほど速かった! 1300ccじゃ世界最速だったかもしれません。

 やがてスイフトスポーツになっていきます。(後編へ続く)


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