来年暴騰の可能性も!? なぜチェイサーツアラーVはいまだに人気なのか

 いまだに高い人気を誇るスポーツセダン、トヨタチェイサーツアラーV。なかでも最終世代であるJZX100系の5速MT車はとりわけ人気で、コンディションの良い中古車は250万円以上のプライスとなることも珍しくない。

 なぜJZX100系ツアラーVは人気なのか? そして今後、値上がりすることがあるのか? 中古車事情に詳しいライター、伊達軍曹が徹底解説する。

文/伊達軍曹
写真/トヨタ 伊達軍曹 CAR工房

【画像ギャラリー】人気が衰えないJZX100系チェイサーツアラーVを写真でチェック!


チェイサーツアラーV専門店のCAR工房に聞いた

1996年10~2001年10月まで販売されたJZX100系チェイサーツアラーV。FRで280ps/38.5kgmを発生する1JZ-GTE型2.5L、直6エンジンに5速MT(4速ATもあり)ということで人気に火が付いた

 相変わらず人気の高いJZX100系ツアラーV。ツアラーVの中古車は近い将来、「極度のタマ不足」と「相場高騰」というダブルパンチを食らってしまう可能性もあるという。

 そのあたりの事情と、これからJZX100系チェイサーツアラーVを購入する人へのアドバイスを、20年以上の歴史を誇る専門店「CAR工房」の代表取締役社長、長谷川 茂さんに聞いた。

取材協力/CAR工房 神奈川県相模原市南区下溝3054-1

神奈川県相模原市にショップを構えるCAR工房はツアラーVの販売実績2500台オーバーという
右が話を伺ったCAR工房代表取締役の長谷川 茂さん、左が同店スタッフのピエールさん

―JZX100系のチェイサーツアラーVは相変わらず大人気ですか?

長谷川社長 そうですね。国内外を問わず、今なお人気です。いわゆるドリ車のなかで、4ドアセダンに限って言えばJZX100系の人気はダントツですし、2ドア車を含めた全体のなかでもトップクラスだと言えるでしょう。

―まず日本国内での人気についてですが、最近はどのようなユーザーがチェイサー ツアラーVを買っていますか?

長谷川社長 まずいらっしゃるのがお若い方々。これは、ドリフトを熱心にやってらっしゃる人もいますし、「自分ではやらないけど、ドリフトに憧れてる」という方もいます。

 また「このカタチがカッコいいと思ったから」というシンプルな理由でお買いになる若い方も近頃は多いですね。そしてお若い方々とは別に、最近は「復活組」も増えてきています。

―復活組というのは?

長谷川社長 復活組というのは、オートバイでいう「リターンライダー」みたいな方々ですね。

 若い頃は、それこそ新車当時の5代目JZX90系や6代目JZX100系でアツい走りをしていたものの、その後はご結婚されたり、お子さんが生まれたりで、走り系のクルマからは離れていた。

 しかし今、子育てなども一段落したことで「もう一度走りたい……!」と思うようになり、当店などでFRのスポーツセダンを買われる40代ぐらいの人が増加中なんですよ。

 ちなみに1JZ-GTEエンジンならではの「音」も、皆さんクセになるようですね。もちろん私も、あの音は大好きです。

CAR工房で販売されている1997年式チェイサーツアラーV。後期型バンパー装着済み。走行距離14万km、価格は149.6万円
5速MTに換装(公認済み)。アペックスパワーFC(MT用)、オートゲージブーストメーター、トラストブーストコントローラー、プロフェックBスペック2など様々なパーツを装着

―なるほど、それが「復活組」ですか。気持ちはわかるような気がします。ところで先ほど「国内外を問わず」とおっしゃっていましたが、ツアラーVは海外でも人気なんですか?

長谷川社長 全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)の影響を受けて始まったFormula Drift(通称フォーミュラD)の関係で、特にアメリカでは人気ですし、そういった先進国だけでなくモンゴルでも、JZX100系は人気なんですよ。

―モンゴルですか! そんなJZX100系のチェイサーツアラーVをこれから買うとしたら、どのあたりに注意しながら選べばいいでしょうか?

長谷川社長 1JZ-GTEというエンジン自体は非常に丈夫なのですが、最終年式でも19年落ちとなるクルマだけあって、純正部品のいくつかは廃番になっています。

 例えばATから5速MTに換装する際に使うプロペラシャフトなどですね。まぁプロペラシャフトなんかは、ないならば作ればいいだけなので問題ないのですが……。

―問題なのは?

長谷川社長 主にはコンピューターですね。メインコンピューターの多くは液ダレを起こし始めていて、それが原因のハンチングやエアコンの誤作動などが多発しています。

 このメインコンピューターは、基盤が壊れてしまってからでは修理不能ですので、正常に機能しているうちにリフレッシュ作業を施してやるのがお薦めです。

 あとサブスロットルコンピューターは、もはや新品部品としては出ないのですが、これの劣化によって「TRC」や「ETCS」の警告灯がついてしまったりする不具合が多発しています。

 これも納車時に、当社のような専門店でリフレッシュ作業をするのがお薦めですね。

―そのほか、ツアラーVに限らず古めの車全般に共通するさまざまなポイントのリフレッシュも必要ですよね?

長谷川社長 はい、それはもちろんです。こういった世代のクルマは、購入時に多少のお金をプラスしてでもきちんと整備したほうが、結果的には安上がりなんですよ。

 「壊れたら直す」というのではなく「早め早めのケア」を、私としては強くお薦めしたいですね。

―なるほど。ところで先ほど「JZX100系チェイサーツアラーVは海外でも人気」という話を聞きましたが、今後は例の「25年ルール」の関係で、JZX100系ツアラーVの相場も暴騰する可能性はありますか?

長谷川社長 そう! それは私も言いたかったことです。来年、つまり2021年には最初期の1996年式チェイサーツアラーVが北米で輸入できるようになります。

 そして日本に駐在している英米人で、2年後ぐらいに帰国する予定の人のなかには「JZX100系のチェイサーツアラーVを国に持って帰るつもりだ」のような感じで最近、1997年式の中古車を探し始めている人もいます。

―ということは……?

長谷川社長 もちろん最終的にどうなるかはわかりませんが、もしかしたらR32型スカイラインGT-Rのようなことが起こってしまう可能性もあるということです。

 つまり、現在は150万~250万円ぐらいで探せるX100系ツアラーVが、数年後には300万円か400万円、下手をすれば「500万円以上!」みたいな相場になってしまうかもしれないのです。

―なんと! それはちょっと困りますね……。

長谷川社長 先ほども申し上げたとおり、どこまで上がるかはわかりません。もしかしたら、小規模な高騰で済む可能性もあります。

 しかし少なくとも断言できるのは「来年以降、JZX100系チェイサーツアラーVの相場が上がる」ということです。

 それゆえ、決して商売上のポジショントークではなく本心から、「JZX100系を買うなら今のうちですよ!」と申し上げたいですね。

 今や希少な「大排気量ターボエンジンを搭載した5速MTのFRセダン」ということで、さまざまな意味での価値は今後上がっていくいっぽうだと思われるJZX100系のトヨタチェイサーツアラーV。

 もしも買うのであれば、「早め」であるに越したことはなさそうだ。

上の写真をクリックするとチェイサーツアラーVの中古車情報が見られます!

■JZX100系チェイサーツアラーV主要諸元
●ボディサイズ:全長4715×全幅1755×全高1400mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1470kg
●エンジン:1JZ-GTE型直6DOHC 24バルブターボ
●総排気量:2491㏄
●最高出力:280ps/6200rpm
●最大トルク:38.5kgm/2400rpm
●サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/ダブルウィッシュボーン
●タイヤサイズ:前/205/55R16、後/225/50R16
●価格:5速MT/322万2000円、4速AT/329万円(1996年10月当時)

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