日産自動車は2020年8月1日、同社が描く未来のモビリティ社会をインタラクティブに体験できる、体験型エンターティンメント施設「ニッサンパビリオン」を横浜みなとみらい21地区にオープンした。開催期間は2020年8月1日から10月23日までの期間限定。
2020年8月1日の一般オープンに先立ち、7月31日、黒岩祐治神奈川県知事、林 文子横浜市長出席のもと、オープニングセレモニーが執り行なわれた。
日産の社長兼CEOの内田誠氏は、セレモニーにおいて、
「日産自動車のデザイナー自らがデザインしたこのニッサンパビリオンは、最先端のテクノロジーや革新的な商品を通して、日産が描く未来のモビリティ社会を、見て、感じて、ワクワクして頂ける場所です。
このパビリオンでご体感いただける数々のテクノロジーは、日産の“挑み続ける精神”の一端です。私たちは事業構造改革に取り組みながら、近い将来、ひとつひとつ、現実の技術や商品として、皆さまにお届けして参ります」とコメント。
それでは、ニッサンパビリオンとはどんな施設なのか? 報道関係者向けの内覧会に行ってきたので報告しよう。
文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部 日産自動車
【画像ギャラリー】ニッサンパビリオンの魅力的なコンテンツを写真でチェック!
日産が描く未来のモビリティ社会が体験できる!
ニッサンパビリオンは、JR横浜駅から徒歩10分ほど、日産自動車グローバル本社近隣のみなとみらい21中央地区60・61街区にあり、敷地面積は1万平方メートル。元横浜マリノスの練習グラウンド、マリノスタウンの跡地に作られた。
日産自動車グローバル本社のあるけやき通りを海側に歩いていくと、新しい日産のロゴが眩い白い半ドーム型の建物が現われた。
受け付けを済ませると目の前にはガーデンエリアが広がる。このスペースにはリーフやGT-R、GT-R NISMO、そしてアイスクリーム移動販売車のe-NV200が展示されていた。
ガーデンエリアからパビリオン内に入ると5つの施設を体験できるようになっている。順を追って説明していこう。

新型クロスオーバーEV、アリアの展示・乗車体験
パビリオン内には、7月15日にお披露目された新型クロスオーバーEV、アリアが4台も展示されている。”Calligraf2ity”という新たな表現で活動する書道家・万美が描いた力強い書道アートとともにアリアを展示。
また事前に予約となるが、アリアに乗って敷地内の専用路を同乗体験することもできる。
クルマの先進技術を体感できるエンターテインメントショー「THE THEATER」
パビリオンの奥には、映画館を思わせるTHE THEATERがあり、幅32m×高さ6mの4kプロジェクション大型スクリーンと、ソニーのハプティクス技術(触覚提示技術)によって振動する床が設置されている。このシアターでは以下の3つのコンテンツが楽しめる。
・アリアショー
実車のアリアがシアター内に無音で入場し、走行するアリアと映像がリンク。まるで本当に街を走り抜けているような臨場感溢れる映像が味わえる。
・フォーミュラE ザ・ライド
日産はフォーミュラEシリーズに参戦しているが、そのフォーミュラEを体験できるアトラクション。バーチャルでフォーミュラEのコクピットに座り、レースさながらに世界の都市を駆け巡ることができる。
シアター席のひじ掛けに用意されているコントローラーでコースを選びながら大迫力のレースゲームが体感できるのだ。
・ナオミビーツ
日産ブランドのアンバサダーを務める大坂なおみ選手とバーチャルでテニスができるアトラクション(事前予約制)。見えないものを可視化する日産の新技術「I2V(アイツーヴイ)」を駆使して、大坂なおみ選手の200km/hサーブを打ち返し、ラリーをするというバーチャルテニス。
本物の大坂なおみ選手のサーブは一般人が打ち返すことはもちろんできないが、「I2V」を使ってテニスボールがどこに来るのかを予測し、打ち返すポイントを事前に表示することで、参加者が打ち返すことができるというもの。
未来の先進技術がアニメーションで見ることができるTHE LIFE
家族や恋人をテーマに「プロパイロット」をはじめとした先進運転支援技術が可能にする未来を描いた2本のショートムービーを上映。1本目は『ハンズフリーラブ』。『ジャッジ!』、『帝一の國』、『恋は雨上がりのように』などを手がけた映画監督永井聡氏が送る、約10分の少し未来のラブストーリー。
そしてもう1本は『コネクテッド・ファミリー』。大ヒットアニメ「君の名は。」をはじめ、多くの新海誠監督作品を手がけたプロデューサー、伊藤耕一郎氏による、クルマがつなぐ未来の家族物語。約6分半のアニメのなかに、未来の先進技術を垣間見ることができる。
フォトジェニックなアート空間 THE CITY
THE CITYは2つの空間に分けられている。ROOM1では「事故のない交通社会」をテーマにセンシング技術を表現している。
空間天井から赤い無数のレーザー光が降り注ぎ、そのなかを人が歩くと、センサーが検知し、レーザー光が人をよけて移動する仕組み。
ROOM2では「活性化する街」をテーマに、クルマと人、街が電力や情報をシェアしあう様子をイメージ。光る柱が無数に並び、柱の上に置かれたクルマのオブジェに手をかざすと光が様々な色に変化する。
ニッサン CHAYA CAFE
パビリオン内にあるニッサンCHAYA CAFEは、横浜ビールと共同開発した「日産オリジナルビール」やキリンビールとコラボしたオリジナルビアカクテルのほか、新しい日産のロゴや日産車が泡の部分に描かれるカフェラテなど豊富なドリンクを用意。
さらに地元神奈川の食材を使ったサラダ、パスタ、サンドイッチ、弁当、スイーツなどこだわりのメニューも提供する(価格帯:400~1800円。テイクアウトドリンクも提供)。
ここで提供されるサラダなどのメニューは電気と水だけで育てられた水耕栽培野菜を使っているという。
これぞ日産! と思わせるのが運転支援技術「プロパイロット2.0」を応用した、無人給仕ロボットにも注目したい。その名も「プロパイロットウエイター」。
わかりやすくいえば、キャスター付きのワゴンが自動で、注文した料理を自動で届けてくれるというもの。プロパイロット2.0技術により、テーブルの位置や来客者の位置を検知し、ぶつからないように素早く料理を運んでくれる。

さらにカウンターに置くだけで携帯電話が充電できるワイヤレス充電や、お皿のICチップに反応して、エネルギー情報をアニメーションでカウンターの上に映像が流れる「インタラクティブテーブル」など、未来の食事を表現しているのはおもしろかった。
またパビリオンでは、カフェの屋根に設置された太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを「日産リーフ」に蓄電し、そのリーフに溜めた電力をこのカフェの一部の電力として使用。
Nissan Energy Shareで謳う「つくる」「ためる」「つかう」を体現した、ゼロエミッション電源を実現したオフグリッドカフェとなっており、日産リーフのリユースバッテリーも活用することで、安定的な電力供給を可能にしているという。
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2020年8月1日から10月23日までと期間限定の開催は実に惜しい。ずっとやればいいのに……と思うほど素晴らしい施設だった。
子供と一緒に行ってみてはどうでしょうか? 将来、クルマ好きになるかもしれません。ただし、会場には駐車場がないので、公共交通機関でご来場ください。
【ニッサンパビリオン概要】
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい6-2-1
アクセス:JR・京急線横浜駅より、中央通路から東口に進み徒歩10分(はまみらいウォーク先)、みなとみらい線新高島駅3番出口より徒歩5分
オープン期間:2020年8月1~10月23日
営業時間:平日11:00~19:00、土日祝10:00~19:00
料金:無料
休館日:不定期
ニッサンパビリオンのホームページ