【追悼・渡哲也さん】“元祖カースタント” 西部警察を彩った日産の名車たち

【2】マシンX/5代目スカイライン

マシンXのベースとなった5代目スカイライン 2000GTターボ(1980)
マシンXのベースとなった5代目スカイライン 2000GTターボ(1980)

 パート1の45話で登場。“ジャパン”のニックネームだった5代目スカイラインのモデルサイクル後半に追加されたターボ車のクーペベースで、市販車の登場から4か月後という早さで西部警察のメンバーに加わるというところにも、日産と石原プロモーションの強い関係を感じる。

 主に大門団長がステアリングを握ったマシンXは、逃走用に高性能車のマーキュリークーガーを使う犯人を通常のパトカーでは検挙できず、ピンチに陥っていた大門軍団への小暮課長からのプレゼントという形で登場。

こちらは実際に劇中に登場したマシンXの内装
こちらは実際に劇中に登場したマシンXの内装

 マシンXはパワーアップにより最高速は240km/hに高められ、自動車電話はもちろん、西部署や警視庁のマザーコンピューターとの接続により各種情報を車内で見られる車載コンピューター、サーチライト&情報収集用のスチールカメラ、犯人車に残せれば位置を把握できる追跡のための特殊発信ペイント弾発射銃などを装備。

 登場回には装備を駆使し、マーキュリークーガーに乗る犯人逮捕の立役者となった。

 マシンXは、パート1の69話と退役していたパート3の47話で警察のクルマなのに盗難に遭い、パート3の時には犯人に仕掛けられた爆弾により爆発、殉職という形で姿を消した。

【3】サファリ

こちらがベースの初代サファリ。劇中車は本文にもあるように、かなりモディファイが加えられていた
こちらがベースの初代サファリ。劇中車は本文にもあるように、かなりモディファイが加えられていた

 パート1の111話で登場したサファリ(初代モデルベース)は、この時期石原裕次郎さんが当時生存率3%と言われてた解離性大動脈瘤による闘病で静養されていたこともあり、西部警察で大門団長が唯一オーダーした特別機動車両だ。

 サファリにキャラクターがよく似合う苅谷俊介さん扮する源田刑事と御木裕さん扮する北条刑事が主にハンドルを握ったサファリは、鉄製ルーフが大きく開き、発砲にも活用された。

 さらに、けん引する水のタンクと接続すると犯人が立てこもった建物の破壊などに貢献する放水銃や情報収集用のビデオカメラ、犯人の位置を把握するレーダーなどを装備。

 パート2とパート3で「解離性大動脈瘤からカムバックした自分の姿を多くの人に生で見てもらいたい」という石原さんの希望も含め大々的に全国各地で行われた全国縦断ロケにもよく帯同していた。

【4】スーパーZ/2代目フェアレディZ

スーパーZのベース車となった2代目フェアレディZのTバールーフ仕様(2by2)
スーパーZのベース車となった2代目フェアレディZのTバールーフ仕様(2by2)

 マシンX後継車としてパート2の15話で後述するマシンRSとともに登場。

 基本的に大門団長がステアリングを握ったスーパーZは、2代目フェアレディZの2.8L直列6気筒NAエンジン搭載車「2by2」をベースに、大門団長が走行中にショットガンを発砲するためのフルオートガルウイングドア、ボンネットの催涙弾発射銃や4本出しマフラーを使った煙幕発生装置などを装備。

 ほかのスーパーマシンと同様に基本的に番組終盤のハイライト部分から登場し、素早く自動で開くシャッターからスーパーZが発進するシーンにテンションが急上昇したファンは多かったに違いない。

 スーパーZは、パート3の14話で警視庁のコンピューターから設計図が盗まれ、催涙弾発射銃から発射されるのが銃弾に変えられるなどの偽物が作られ、その性能が悪用されたこともあった。

【4】マシンRS/6代目スカイラインRS

 マシンRSは、6代目スカイラインでNAの4気筒DOHCエンジンを搭載したRSのクーペがベースで、パート2からパート3初期にかけて大門軍団のナンバー2的存在を務めた三浦友和さん扮する沖田刑事がハンドルを握ることが多かった。

 マシンRSは、前後シートに置かれた通信などに使うコンピューター、サーチライト、現代のものに意外に近いカーナビなどを装備していたほか、状況に応じて車道の信号を変えられるシグナルコントロールが劇中活用されることもあった。

次ページは : 【5】RS軍団/6代目スカイラインRSターボ&RS

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