日産が生んだ奇跡 究極の癒し系パオがいまも愛され続ける秘密とは


エアコンはちゃんと効くのか?

専用にデザインされたエアコンのオーディオ類

――もう9月にはなりましたが、まだまだ暑い日が続いてます。約30年前のカーエアコンって、ちゃんと効くんですか?

毛利社長 そこはぜんぜん大丈夫です。普通に涼しいですよ。もちろん30年前の状態そのままではダメですが、部品取り車のパーツをフル活用して、ちゃんと効くように直してますからね。

――純正のカーナビは付いてませんよね?

毛利社長 付いてませんね。そういう時代でしたから。

――道に不案内なビギナー系のお客さんから「納車時にカーナビを付けてください」とか言われませんか?

毛利社長 うーん。5、6年前まではそういうお客様もいらっしゃいましたが、最近はほとんどの方が「ナビは要らない」っておっしゃいますね。最新の社外カーナビを付けちゃうと、せっかくのレトロな内装デザインが台無しになっちゃいますからねぇ。

――今はスマホのアプリでどうとでもなりますからね。私もパオを買うとしたら、社外カーナビは付けません。まぁ私のことはどうでもいいとして、これからパオを買うかもという人に対して、もしも注意点などがあれば教えてください。

重大な注意点、購入してから気を付けることは?

初代マーチと同じ1Lエンジン。現代のクルマとは違いインジェクションではなくキャブレターが装着されている

毛利社長 特に重大な注意点というのはないのですが、今のクルマのエンジンと違って「キャブ(キャブレター)」ですので、走り出す前は、せめて30秒から1分間ほどの暖機はしてほしいですね。

――えーと、パオのデザインだけに惹かれているビギナー各位のために補足しますと、キャブというのは昔の燃料供給装置です。

 最近のクルマは電子制御の「インジェクター」が燃料を勝手に最適な濃度で噴射してくれるのですが、機械式の「キャブレター」はそうもいかないので、暖機、すなわちエンジンをかけた後、少しの時間でいいので走らずにアイドリングさせ、エンジンを暖めてあげてください――ということです。そのほかには?

毛利社長 まぁ後はエンジンオイルを5000kmごとには交換するようにして、日頃は最低限、エンジンオイルと冷却水の量が減っていないかを、時おり確認するようにしてください。

 これは自分で確認する自信がなければ、給油する際にガソリンスタンドのスタッフさんに見てもらってもいいかもしれません。そして後は、ある程度の「心構え」は必要かな……と思いますね。

――心構えといいますと?

毛利社長 弊社のパオはここまでご説明したきたとおり、ごく普通に走れるよう整備しているつもりですし、保証も、6カ月または5000kmでお付けしています。

 しかしそれでも31年前のクルマですから、現代のクルマと違って、ごく希にではありますが、道端で止まってしまう可能性がゼロなわけではありません。

――まぁそりゃそうですよね。人間で言えばおじいちゃんかおばあちゃんですから。

毛利社長 で、万一そうなった際に「パオのことを嫌いにならないでくださいね」と言いたいんです。

 万全な整備はしてますし、万一、弊社のお客様のパオがそうなってしまったときにはできる限りのサポートもいたします。

 また前述の保証もお付けしています。しかしそれでも、2020年の新車とまるっきり同じ心構えでは乗れないのが、30年前のクルマというものです。

 そのあたりをご理解いただいたうえで、この素晴らしいデザインのパイクカーにご興味を持っていただけたならば幸いですね。

1990年式パオ・キャンバストップ。走行距離は9.3万km。価格は137.5万円。5行程55項目のリメイク済み
珍しい5速MT車だ。シートの破れもなく程度はよさそうだ
キャンバストップの破れもなし

――そりゃそうですよね、としか言いようがありませんね。な〜んの心配もいらないクルマに乗りたい! というのであれば、いかついデザインの新車を買えばいいわけですから。

 しかし逆にいえば、その程度の心構えで、現代のクルマからはほぼ失われてしまった「ほのぼの系デザイン」を堪能できるのですから。そんなところに人気の秘密があるのかもしれませんね。

 整備済みの日産パオというのは2020年の今、かなりナイスな選択なのかもしれません。今日はいいモン見せていただきました。ありがとうございました!

毛利社長 いえいえどういたしまして。またいつでも遊びにきてください!

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