1987年、初代マーチをベースとしたBe-1が登場し、このクルマから日産のパイクカーシリーズが始まった。
1989年にはパイクカー第二弾のパオ、そして今、パイクカーのなかでも最も熱いモデルが、パイクカー第三弾、2+2クーペのフィガロである。
フィガロは1991年から1992年にかけて、3度に分けて2万台が抽選販売されたが、発売から約29年経った今でも人気を保ち続けているという。
イギリスではフィガロのレトロでモダンなデザインが人気となり、エリック・クラプトンをはじめとする海外のセレブも買い求めるほど。
日本でも最近になって、フィガロの中古車価格が上昇しているという。そこでフィガロの中古車相場とともに、なぜ人気なのか? フィガロの魅力に迫る!
文/萩原文博
写真/日産
【画像ギャラリー】30年経っても色褪せない3台の日産パイクカー Be-1、パオ、フィガロの詳細写真
当初限定8000台が2万台まで増産された
![1991年2月から1992年にかけて合計2万台が生産されたフィガロ。価格は187万円だった(1991年式)。ボディカラーは四季をイメージした、エメラルド(春)、ペールアクア(夏)、トパーズミスト(秋)、ラピスグレイ(冬)の4色で、ルーフトップ部はいずれもホワイト](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2020/04/27165915/1d4c6b772505647fd944714ca1dcc7e61-600x318.jpg)
「東京ヌーベルバーグ」。直訳すれば、東京から始まる新しい波。こんなオシャレなキャッチコピーが付いたクルマが、今買うべき中古車として今回取り上げた日産フィガロだ。
人気刑事ドラマの主人公の愛車としても脚光を浴びたフィガロ。一体どのようなクルマなのか?
1991年2月に販売開始されたフィガロは、1987年に登場したパイクカーシリーズの第3弾となるモデルだ。
パイク(pike)というのは「槍(やり)」や「尖峰」といった意味を持つ英語で、尖ったデザインを「槍・尖峰」に見立て、世の中の動きや嗜好を探ってみたというのが、パイクカーのコンセプトだった。
日産は1987年にBe-1、1989年にパオを発売。そして1991年にフィガロが販売された。
コンパクトカーの初代マーチをベースとしたフィガロは当初は8000台の限定生産の予定だったが希望者が多かったため販売台数が拡大され、1991年2月14日、限定2万台で発売され、同年8月末までに3回に分けて抽選するという、一風変わった販売方式がとられた。
![ボディサイズは全長3740×全幅1630×全高1365mmというコンパクトな2+2クーペ。リアピラーとサイドルーフレールは固定されているが、スライディングソフトトップを備え、オープンエアモータリングが堪能できた。ソフトトップの開閉は手動。フロントフェンダーとエプロンはBe-1と同様「フレックスパネル(Flex Panel)」樹脂製。ボディ架装は高田工業で委託生産された](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2020/04/27171716/94a090490d6326848149e64d7f808dff-600x349.jpg)
フィガロは2ドアのオープンカーで、ピラー部分を残して、布製のルーフ部分だけが開閉する。
搭載されるエンジンは最高出力76ps、最大トルク10.8kgmを発生する1L直列4気筒ターボで、3速ATが組み合わされている。
こうして新車が発売されたわけだが、その人気はいったん落ち着きをみせる。しかし、10年ほど前から人気が再燃しはじめ、パイクカーの中古車専門店ができるほどの人気となった。
なかでもフィガロはイギリスで人気となり、多くの中古車が海を渡ってイギリスに嫁いでいった。その台数は3000台におよび、日本国内よりイギリスに多く存在しているのではないかと思われる。
フィガロは英語圏ではFigsと言われ、2014年にオランダ、2015年にはスコットランド、2016年にはベルギーでフィガロラリーが開催され、英国ではロンドンのほか各地で25周年イベントが開催され、ヨーロッパ各地でもFigfestなるものイベントも開催されている。
イギリスでのフィガロの中古車価格は、程度にもよるが、日本円で50万円ほどから300万円オーバーまで。
世界的なオークションハウスのサザビーズRMオークションでは1991年式の走行9134kmのフィガロがなんと5万1750ドル(約565万円)の値を付けた。
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