FB16型よりも約15kg軽量でコンパクト
CB18型はFB16型よりもずっとコンパクトで約15kgも軽くなっていることも特徴だ。
全長を詰めるためにクランクシャフトのカウンターウエイトを3分の2の厚さとしたことは軽さにも寄与しているほか、チェーンカバーを樹脂とするなど、これまでアルミの鋳物だった部品のさらなる軽量化を図っている。
コンパクト化により安全面でも、全長を44mm縮めたことで、エンジン前のスペースが広く空いたことで、クラッシャブルゾーンをより大きく確保することができた。これが衝突安全性能の向上に効くことはいうまでもない。
VTD-AWDの搭載は見送られた
ご存じのとおり、先代レヴォーグにはFB16型のほかにFA20型の設定があり、前車にはアクティブトルクスプリットAWDが組み合わされていたのに対し、後車にはセンターデフを用いてトルクをリアよりに不等配分することで回頭性を高めスポーティな走行を楽しめるようにするVTD-AWDが搭載されていた。
まさしくWRX S4のワゴン版といえるFA20型搭載モデルの存在が、初代レヴォーグのイメージリーダーとしての役割をはたしていた側面もあるわけだが、新型レヴォーグにはいまのところ、CB18型以外の高性能エンジンやVTD-AWDを搭載する予定はないという。
今後CB18型はどんな車種に展開されていくのか?
インプレッサスポーツやインプレッサG4のマイナーチェンジが2020年10月8日に行なわれたが、e-BOXERとSTIスポーツが追加されたものの、CB18型は搭載されなかった。
一方で、2020年10月22日に行なわれるフォレスターのマイナーチェンジでは、従来の2.5LNAを廃止し、1.8LターボのCB18型が搭載されるという。
このエンジンが今後どのように発展するのかはわからないが、ボアピッチは98.6mmとあまり大きくなく、ボア方向での排気量拡大は考えられない。設計からすると1.8Lが上限と見てよい。
いずれ新しくなるであろうWRX系にどんなエンジンが積まれるかも大いに気になるところだが、CB18型で追求したのはあくまでエフィシェンシー(効率)であり、パフォーマンスはあまり考えていないと開発者も述べていたことから、WRX系に搭載されるとは考えにくい。
一説には次期WRX STIにはFA20ターボをベースに排気量を2.4Lに拡大したFA24ターボが搭載されるという情報もあるようだが、さだかではなく、いずれにしても次期WRXに与えられるのは、拡張性を持つFA型やFB型の次の世代のエンジンと考えたほうがよさそうだ。
むしろ今回のCB型の系統は、1.6L程度に排気量を縮小したり、過給を行なわず自然吸気とするようなデチューン方向の展開のほうが考えられる。CB型エンジンの本質は、あくまでエフィシェンシーの追求にあるのだ。
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