テスラ時価総額はトヨタ超え!? 新興メーカーがブランドを早期確立できた理由

テスラの上手さ

 もうひとつ、テスラ独走には技術的な側面がある。

 航続距離を延ばすため、大きな電気容量を持つ電池パックを搭載する手法について「単なるガソリン車の代替的発想であり、根本的にEV開発の思想に反する」と、異論を唱える自動車業界関係者が多かったが、いまではプレミアムEVでの王道となっている。

テスラは第2世代となる新型ロードスターを発表。日本ではまだ発売されていないが、ベースモデルが2270万円(予価)と公表されている
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 電池の種類についても、そもそもパソコン向けなど家電向けの需要を想定した開発された、直径18㎜×高さ65㎜の円筒形リチウムイオン二次電池「18650」を数百本単位でモジュール化し、電池パックでは数千本単位で構成することに電池業界から異論が多かった。

 その後、パナソニックとの正式な協業体制となり、18650をEV向けとして改良し、さらにひと回り大きな「2170」に拡張。直近では、さらに大きな「4680」の開発に着手している。

 それでも、大手メーカーで円筒式リチウムイオン二次電池をEVに使用するケースは少ない。

デザインを放棄した、など賛否両論のサイバートラックは、2021年から生産を開始する予定。GT-R並みの加速性能というのもビックリ
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 このように、テスラ第二期では、自社技術の発想を貫くことが結果的に奏功し、テスラブランドの独自色を創出した。

 さらにいえば、自動運転技術や太陽光パネル事業、大型EVトラックやピックアップトラックEVなど、企業イメージを上げるためのマーケティングでも、大手自動車メーカーではリスキーと思われる領域まで踏み込んだ演出を行うところが、ユーザー目線で、または投資家目線でテスラファンを生む要因になっていると思う。

 第一期、第二期での紆余曲折を経て、今後はマスマーケットに挑戦するテスラ。第三期へと、新たる成長軌道に乗れるか?

北米で販売好調が伝えられているテスラだが、日本では販売台数はいっさい公開されていない
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【画像ギャラリー】プレミアムEVの先鞭をつけたテスラの歴代モデルとこれから発売されるモデル

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