サイバートラックお披露目の際の「防弾仕様のガラスをボールで突き破った」件など、なにかと話題が先行しがちなテスラのクルマたち。
今回試乗のコンパクトセダン モデル3もずいぶん長い間納期についての話題(販売は好調だったが生産が絶望的に遅いなど)が先行していたが、その問題も解消された様子だ。今年(2020年)1月には時価総額でGMとフォードの合計を抜くなど、テスラ本体も好調が続いている。
ただ、そうは言ってもやはりまだまだ「EVでしょ?」と懐疑的な目を向けられがちなモデル3に、自動車評論家であり、またレーシングドライバーでもあるプリウス武井氏が試乗。その“走り”を驚きをもってリポートしてくれた。
■モデル3価格
・スタンダードレンジプラス…511万円(RWD、航続距離409km)
・ロングレンジ…655万2000円(AWD、航続距離560km)
・パフォーマンス…717万3000円(AWD、航続距離530km)
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※本稿は2020年1月のものです
リポート:プリウス武井(武井寛史)/写真:ベストカー編集部/撮影:西尾タクト
初出:『ベストカー』 2020年2月26日号
■今まで乗ってきたなかで10本の指に入るサスペンションのしなやかさ
個人的にクルマメーカーというより電気屋さんのイメージが強いテスラのエントリーモデルを東京のニュル(首都高)でインプレッション! スポーツカーとしての実力を検証してみた。
今回、持ち込んだのは「モデル3パフォーマンス」。多くのメディアでEVの俊敏さが評価されているように、コイツもえげつない加速だ。
クルマでありながらガソリンエンジンとは一線を画す存在。駆動の際には振動はなく、路面をとらえるタイヤノイズと、わずかに聞こえる風を切る音だけ。
テスラはグレードによってMAXパワーが違うんだけど、モデル3はフェラーリやランボルギーニのような車体が浮き上がる暴力的な加速感ではないものの、そのポテンシャルは想像の領域を超えていた。
おどろかされたのは、俊敏な加速感よりも、それを支えるサスペンション。今まで多くのクルマのインプレッションをやってきたけど、10本の指に入るほど高く評価できる。
走り出しのファーストインプレッションは、硬さはなくしなやかな印象。攻めた走りには適してないかと思いきや、首都高速の中・高速コーナーへのアプローチでステアリングを切った瞬間からモデル3の評価は一変する。
ハンドリングはクイックで、人間が感じられる領域でのタイムラグはなく即座に反応してサスペンションが仕事をする。ロール感もほぼなく、コーナーをクリアしていく感覚は熟成されたレーシングカーのようだ。路面ギャップが多い首都高において安心して飛ばせるサスペンションと言える。
ブレーキフィーリングも悪くない。ペダルタッチはカチッとして、コントロール性はバッチリ。フニャフニャで心もとないブレーキじゃないから安心してアクセルが踏める。限界ギリギリの攻めた走りをしなければまったく問題はない。
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