トヨタ、日産らが生み、愛し愛された「マイナー車」たちの長所と消えた理由7選

■ホンダHR−V 1998〜2006年

HR-V
HR-V

◎よかったところ

 HR-Vは1.6Lエンジンを搭載するコンパクトなSUVだ。発売は1998年だから、SUVが人気を得る前だが(SUVの人気を高めた初代エクストレイルの発売は2000年)、初代RAV4(1994年)、初代CR-V(1995年)はすでに発売されて、相応の人気を得ていた。

 発売時点のHR-Vは3ドアボディのみで、全長を3995mmに抑えた5ナンバー車だ。外観は直線基調でカッコ良く、新世代のスポーティカーと受け取られた。

 全高は1590mmだから、今日のヴェゼルやジュークと同程度だ。当時のSUVでは背が低く、運転感覚も軽快で話題になった。

◎生産中止になった理由

 1999年には5ドアボディを加えてファミリーユーザーにも対応したが、2001年にフィットが発売されるとHR-Vは顧客を奪われて売れ行きを下げた。

 また当時のホンダは、オデッセイ/ステップワゴン/ストリーム/モビリオといったミニバンに力を入れていたから、HR-Vは2006年に生産を終えた。

 しかし2013年12月になると、コンパクトSUVのヴェゼルが発売されている。コンセプトはHR-Vにきわめて近く、進歩的なクルマだったことを改めて裏付けた。

■ホンダエディックス 2004〜2009年

エディックス
エディックス

◎よかったところ

 エディックスは1795mmのワイドな全幅を生かし、3人掛けの可能なシートを前後に備えた。2列シート車だが、6名乗車が快適に行える。

 そして中央席には、前後ともに長いスライド機能が備わり、特に前側の中央席は後方に270mmスライドできた。後方に寄せるとエアバッグの展開範囲からはずれるため、チャイルドシートも装着できる。

 従って3人家族なら、全員が横並びに座り、同じ風景を眺めながら移動できた。独特の楽しい気分を味わえて、後席を畳めば広い荷室になるから実用性も優れていた。

 また中央席は前後ともにストリームの3列目よりも快適だから、エディックスは6名乗車時の快適性でも注目された。

◎生産中止になった理由

 エディックスが発売された2004年頃は、今ほど3ナンバー車が多くなかった。そのために全幅のワイドな3ナンバー車を購入するユーザーは、豪華で立派な外観を求め、全長が4285mmのエディックスでは物足りなかった。

 逆に全長の短いクルマを買う人は、ワイドなボディを敬遠する。ワイドで短いボディは日本のユーザーに合わず、合理性も理解されずに売れ行きは低迷した。

 また当時はステップワゴンとストリームの売れ行きが好調で、「3列のシートを備えること」に高機能で先進的なミニバンとしての価値を見い出す時代でもあった。エディックスはまさに時期尚早で成功できなかった。

■トヨタオーパ 2000〜2005年

オーパ
オーパ

◎よかったところ

 全長を4250mmに抑えた5ドアハッチバックだが、プラットフォームは5代目ビスタと共通で、ホイールベースは2700mmと長い。

 そのためにボディ前後の張り出しを短く抑えたショートオーバーハングになり、カーブを曲がる時に慣性の影響を受けにくい。全高も1525mmと低めだから、走行安定性が優れ、高速道路を安心して移動できた。

 また後席を畳むとフラットな荷室に変更されて、床面積が広い。走行性能が優れ、なおかつ荷室も使いやすいユニークなクルマであった。

◎生産中止になった理由

 全長が短い割にホイールベースが長く、小回り性能が不満だった。最小回転半径は5.3mで、全長を考えると大回りになる。

 また後席を畳むとフラットで広い荷室になったが、このレイアウトを可能にするために背もたれの高さが低い。長いホイールベースによって後席の足元空間は広かったが、座面の形状も含めて座り心地は快適ではなかった。外観も個性的で、好みが分かれた。

 そしてオーパが発売された2000年頃は、ミニバンの人気が急上昇した時期だったから、2列シートで空間効率を重視するオーパは中途半端と受け取られた。

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