【FJ、ウィッシュ、レクサスHS250h…】2017年に消えてゆく「物故車」たちへの弔辞

■スバルエクシーガクロスオーバー7(2008〜2018年)総販売台数6万6062台

戒名:役滋賀院多人数乗遅居士

 皆の衆はトラヴィックのことを覚えておるかのう。そうそう、ドイツからやってきた青い目のミニバンじゃ。ありていに言えば、初代オペルザフィーラのOEMであった。

 なにせスバルにはミニバンがなかった。当時の日本市場は、ミニバンに非ずんば人に非ず。売れるタマがないという末法の世で、スバルとしてはそんな奇策を使うしかなかったのじゃな。

 が、奇策はみごとに失敗。大コケであった。やはり牛肉とミニバンは国産にかぎる、 そう悔い改めたスバルが開発したのが、エクシーガだったのじゃ。

 が、時すでに遅し。こういったスポーティタイプのミニバン需要はすでにほとんど消えておった。まさに乗り遅れたバス。

 エクシーガはその後、クロスオーバー7というサブネームを与えられ、クロスオーバーSUVのフリもしたが、最後まで乗り遅れたネコバスであったのう。慣れぬことはするものではない。

■トヨタSAI&レクサスHS250h(2009〜2018年)総販売台数10万1992台(SAI)

戒名:三河院中途半端雑種兄弟居士

 思えば、ハイブリッドブームというものがあった。なんでもかんでもハイブリッドであれば善し。セレナなど、ほとんど効きもしない弱弱モーターでちょびっと駆動してハイブリッドと呼び、減税を得たほどである。喝!!

 いっぽう、トヨタのSAIとレクサスHSは、中身こそホンモノであったが、本家本元ハイブリッドのプリウスの影に隠れてパッとせず、存在感もないままにこの世を去ることになった。

 大当たりしたからといって、ドジョウはそう何匹もおらぬという教訓であろうか。皆の者、肝に銘じるが善いぞ。

(編集部註:2017年12月10日時点で「レクサスHS250h」については販売中止の公式アナウンスはありません。公式サイトにも特に「グレードが選べなくなる」等の注意書きはなし。当面は販売を続けるもようです)

■マツダプレマシー(1999〜2017年)総販売台数9万5932台

戒名:安芸院水流亭落魄消滅院清士

 プレマシーなる武将のことはよく覚えておる。サイドの水の流れの模様は邪心であったが、その心根は実に優しく、しっかりした走りのミニバン侍であった。

 日産にも双子の兄弟が名前を変えて養子にいったが、箱型ではないミニバン侍のハンデはいかんともしがたく、なかなか兵は集まらなかった。

 実力のある武将だっただけに惜しさもあるが、世の流れには逆らえぬ。諸行無常の響きあり。

(編集部註:プレマシーの生産終了にともない、OEM供給されていた日産ラフェスタハイウェイスターも販売終了となります)

■スズキエスクード2.4(2005〜2017年)総販売台数4万5091台

戒名:美多羅院悪路乗越地味居士

 人は一般にソレを3代目エスクードと呼ぶ。といっても本邦では知る人ぞ知る存在で、加えて2015年にエスクードが4代目に代替わりしてからは、ラダーフレームを持つ本格派クロカン四駆として生き永らえたものの、半ば幽閉されたようなもので「そんなん、まだあったんスか」な存在に落ちぶれておった。

 そのエスクード2.4が、ついにこの世を去ったという。大往生であったとも、無念の死であったとも言われるが、真相は不明じゃ。なにせ姿を見なかったのでな。阿耨多羅三藐三菩提。

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