メルセデスAMGが日本人のお金持ちに愛される理由とは

メルセデスAMGが日本人のお金持ちに愛される理由とは

 メルセデスベンツは、日本のマーケットで2015年から2019年まで5年連続で輸入車販売台数トップの地位を獲得し、コロナ禍に見舞われた2020年の1~9月でも首位の地位を維持し続けている。

 なかでもプレミアムブランドとしてのイメージ確保に貢献しているのが、ハイパフォーマンスモデル、メルセデスAMG(以下、AMG)だ。

 ちなみに1970年~1980年代に「アーマーゲー」と呼ばれていたことはあったが、正しくは「アーエムゲー(ドイツ語)、エーエムジー(英語)」である。

 AMGは日本市場においても新車販売台数は2019年では8000台以上販売しており(正確な日本市場での販売台数は未公表)、国別の販売台数ランキングでは世界5位である。

 いかに日本を重要視しているのかは、2017年1月に世界で初めてのメルセデスAMG専売拠点「AMG東京世田谷」を開業していることからもわかる。

 そこで、AMGという高級車ブランドがなぜ日本で人気なのか? その理由を探るとともに、AMGの成り立ちとモデルラインナップの概要をモータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。


文/岩尾信哉
写真/メルセデスベンツ

【画像ギャラリー】なぜAMGモデルは人気なのか? 主要モデルの写真をチェック!


メルセデスAMGはなぜ躍進?

創業者の2人、Aufrecht(アウフレヒト)の「A」、Melcher(メルヒャー)の「M」と、アウフレヒトが育ち創業した場所となった、Großaspach(グローザスバッハ)の「G」。これら3つの単語を組み合わせて「AMG」と名付けられた。現在の正式な表記はMERCEDES-AMG
創業者の2人、Aufrecht(アウフレヒト)の「A」、Melcher(メルヒャー)の「M」と、アウフレヒトが育ち創業した場所となった、Großaspach(グローザスバッハ)の「G」。これら3つの単語を組み合わせて「AMG」と名付けられた。現在の正式な表記はMERCEDES-AMG
エントリーモデルであるAクラスにも過激なAMGモデルをラインナップ。写真のA45S 4MATIC+は421psの1991㏄の直4ターボに8速DCTを組み合わせる
エントリーモデルであるAクラスにも過激なAMGモデルをラインナップ。写真のA45S 4MATIC+は421psの1991㏄の直4ターボに8速DCTを組み合わせる

 2019年のメルセデスAMG(以下、AMG)を振り返ると、世界市場での新車販売台数では、総販売台数は新記録となる13万2136台とされ、前年比で11.8%増加した。

 各国の市場別販売実績に関しては、AMGモデルの販売台数トップは米国(メルセデス全体の販売台数の1割程度)、第2位はメルセデスの地元・ドイツとされ、第3位の英国、第4位の中国に続き、日本は第5位となっている。

 2019年の車種別の販売実績では、車種を拡大しているコンパクトクラスであるAクラスやCLAに設定されている「35」「45」モデルの受注の好調さがうかがわれる。

 スポーツカーのトップモデルである「GT」の4ドアクーペも2020年7月に音声コミュニケーションツールである「MBUX」を新たに標準装備し、オプションでパノラミック/CFRPルーフを設定するなどの改良を受けた。

 2020年9月に日本市場でもビッグマイナーチェンジが発表されたEクラスもすでにAMGモデルを発表している。

 一方、メルセデスが近年ラインナップの拡充を進めてきたSUVのGL系モデルでは、GLA45がドイツ本国で2019年12月に発表され、GLB35やGLE63、そしてGLS63が順次日本市場に導入を果たしており、AMGとして隙のない車種構成を形作ってきた。

次ページは : AMGの立ち位置とは?

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