■トヨタ カローラフィールダー(2012年5月登場/2020年9月の月販:1400台)
カローラのユーザーには法人も多く、社内の規定で5ナンバー車が購入の条件になる場合もある。そこで従来型も継続生産している。
ワゴンのフィールダーも約30%は法人に購入され、小さな荷物の運搬など、バンのように使われる。プロボックスより後席が広く、4名乗車の用途もある。
今は5ナンバーサイズのワゴンがシャトルに限られるから、フィールダーの人気も衰えていない。
●販売現場からの視点(by遠藤 徹)……昨年9月、主軸は3ナンバーのツーリングに引き継いだが、格安の5ナンバーサイズの1.5Lということもあり、法人層にも浸透中。
■日産 セレナ(2016年7月登場/2020年9月の月販:6353台)
標準ボディが5ナンバーサイズに収まるミニバンのなかで、3列目シートが最も広く、居住性の快適な車種がセレナだ。シートアレンジも多彩で、ミニバンの機能と運転のしやすさを高次元で両立させた。
また今の日産には設計の古い車種が多く、堅調に販売できるクルマが減っているという実態がある。その結果、日産ディーラーの販売力がセレナに集中して、長期間にわたり好調に売れている。
●販売現場からの視点(by遠藤 徹)……根強い人気の高さに加えて、e-POWER、自動運転支援のプロパイロット、安全対策強化など、絶えず商品力アップのためのモデル強化の努力が幅広いユーザーに浸透している。だから売れる。
■ホンダ シャトル(2015年5月登場/2020年9月の月販1611台)
シャトルは5ナンバーサイズに収まる貴重なワゴンだ。
プラットフォームは先代フィットと共通で、燃料タンクを前席の下に搭載するから、荷室の床が低い。しかもシャトルは、フィットに比べて荷室長を約300mm伸ばしたから、積載容量が大きく、広い。
ボンネットが短く、天井が高いデザインなのでスマートなワゴンらしさは乏しいが、立体駐車場が使えて荷物もタップリ積める。
ビジネスを含めて、実用的なワゴンを求めるユーザーの間で、長い期間にわたり人気を得ている。バンの需要にも支えられているわけだ。
●販売現場からの視点(by遠藤 徹)……コンパクトサイズながら室内と荷室の広さがウリ。販売店では低金利の残価設定クレジットの設定などでのキャンペーン効果もあり、買い求めやすさを後押し。リセールバリューの高さも売れる要因。
■スズキ ソリオ(2015年8月登場/2020年9月の月販:4173台)
スズキは軽自動車のメーカーという印象が強いが、小型/普通車にも力を入れている。軽自動車の増税などにより、今後の需要が心配されるからだ。
今年、国内で売られたスズキ車のうち、17%を小型/普通車が占めた。その登録台数はスバルよりも多い。そしてスズキの小型/普通車のなかで、最も多く売れているのがソリオ。ノアやRAV4と同等の人気ぶりだ。
好調に売れる理由は、空間効率が優れているからだ。全長は標準ボディが3710mmと短く、全幅はジムニーシエラを下まわる1625mmだ。狭い裏道でも運転しやすい。
その一方で全高は1700mmを超えるため車内は広い。加えて内装も上質だ。後席の座り心地は、設計の新しいルーミーよりも優れている。
つまりソリオは、スペーシアなど軽自動車のスーパーハイトワゴンを上回る広さや実用性と、走りのよさを両立させた。軽自動車から上級移行するユーザーにも好評で、息の長い人気車となっている。
●販売現場からの視点(by遠藤 徹)……スペーシアやワゴンRの上級シフトユーザーが代替え母体になり、好調さを後押し。モデル末期になり、お買い得の特別仕様車設定で販売店では拡販機運が盛り上がっている。それも好調の要因。
コメント
コメントの使い方