【10年早かったクルマたち】今こそこういうクルマが欲しい! 絶版車 6選

■ホンダクロスロード 2007〜2010年(OEM供給車除く)

 今のホンダは比較的コンパクトなSUVとしてヴェゼルを用意するが、これはデザインを含めて商品の性格がコンパクトカーやハッチバックに近い。プラットフォームも含めてフィットの拡大版とも受け取られる。

 その点でクロスロードは直線基調のボディを備え、プラットフォームはストリームと共通の前輪駆動ベースながら、オフロードSUVに似た印象を受ける。先代エクストレイル、現行エスクードに近い印象があった。

 そしてプラットフォームはストリームが母体だから、全長が4285mmのコンパクトなサイズながらも荷室に3列目のシートが装着された(乗車定員は7名)。当然に窮屈だが、3列目の床面形状を工夫して足が収まりやすくするなど配慮が見られた。

 今はSUVの人気が高いが、ホンダにはミドルサイズがないので、ヴェゼルの上級版として改めて開発すれば相応に売れる。

 2018あ年にはCR-Vが復活するが、これは全長が約4600mm、全幅が1820mmに達するので、日本で使うには大きすぎる。クロスロードを造り続けていた方が、日本のユーザーにはメリットがあっただろう。2007年12月の登録台数も1121台で、まずまず堅調であった。

■マツダベリーサ 2004〜2015年

 今のマツダの国内販売は苦戦を強いられている。2010年の1〜11月までに21万4256台を販売したが、2017年の同期は19万3701台だ。10%減っている。

 マツダは2012年に初代(先代)CX-5を発売して、それ以来「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」の新型車を続々と投入してきた。

 内外装の質が高まり、クリーンディーゼルターボを含めて動力性能、走行安定性、乗り心地も向上した。先代CX-5以降のマツダ車は、以前に比べると商品造りが大幅に洗練されてオシャレになっている。

 それなのにマツダ車の売れ行きは、前述のように先代CX-5を発売する前の2010年よりも少ない(2011年は東日本大震災があったので比較できない)。

 これはマツダ自身が承知の上でやっていることだ。ミニバンのプレマシーやビアンテも生産を終えるからユーザーは行き場を失った。

 マツダは3列シートのCX-8を投入したが、全長が4900mmの大柄なボディを備え、価格は買い得な2WDのXDプロアクティブでも353万7000円だから、値引きの拡大したプレマシーなら2台買える。

 そのために販売店では「一部のお客様がプレマシーやビアンテからCX-8に代替えしているものの、トヨタや日産に移ってしまうことが多い」と嘆く。

 要はある程度は過去と決別して、これからユーザーを増やしていく方針だ。そのために値引きも抑えて、数年後に高く売却できるように配慮するが、現状を見る限り成功したとはいい難い。

 それは販売台数だけでなく、日本のユーザーの期待に応えるラインナップが整っていないからだ。

 今のマツダ車の優れた走りや乗り心地、上質な内外装を、もう少し雰囲気の明るい実用的なクルマで再現して欲しいと感じているユーザーは多いだろう。プレマシーも良くできたミニバンで、高い支持を受けていた。

 10年前のラインナップから時期尚早な注目車を探すとベリーサが挙げられる。2代目デミオのプラットフォームを使って開発され、全高は1550mm以下だから立体駐車場を使いやすく、なおかつ4名乗車の快適な居住空間を備えた。

 大人の女性をターゲットに開発されたので、内外装がシックに仕上げられ、日産ティーダに似たリラックスできる上質かつ運転のしやすいコンパクトカーであった。

 ただしベリーサやプレマシーを復活させるとしても、今の魂動デザインには合致しない。上質でもっと明るい雰囲気を備えた別の商品群(シリーズ)を設けて欲しい。

 海外はともかく、日本で求められているのはそういうマツダ車だ。CX-3やデミオは、日本に適したサイズではあるが、雰囲気が暗すぎる。後席も窮屈で閉鎖感が伴う。「サイズが小さければ日本向け」という話ではない。

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