レヴォーグ、ヤリス…新車豊作年!! 2020年「時代を変えた」変革車 5選

時代を変えた日本車4/日産ノートe-POWER

2012年に発売された現行型ノートがついに2020年12月に新型へフルモデルチェンジ。キックスまでに搭載されている第1世代より騒音が小さくなった、第2世代e-POWERを搭載
2012年に発売された現行型ノートがついに2020年12月に新型へフルモデルチェンジ。キックスまでに搭載されている第1世代より騒音が小さくなった、第2世代e-POWERを搭載
第2世代e-POWERは1.2Lのエンジン排気量は維持し、小型化・軽量化を実現しながらも、モーター出力トルクを10%以上アップ(最大トルク254Nm→280Nm、最大出力は6%アップで80kW→85kW=116ps)。WLTCモード燃費も29.5km/Lを達成
第2世代e-POWERは1.2Lのエンジン排気量は維持し、小型化・軽量化を実現しながらも、モーター出力トルクを10%以上アップ(最大トルク254Nm→280Nm、最大出力は6%アップで80kW→85kW=116ps)。WLTCモード燃費も29.5km/Lを達成

 ここ数年、日産は特に日本向けの新型車が登場しなかったこともあり、「日本軽視」という声や周辺事情の悪さも重なり、ブランドイメージの低下が否めなかった。

 2020年に入り、6月に登場したコンパクトSUVのキックス、9月にプロトタイプが発表された次期フェアレディZにより、日産復活の雰囲気を感じつつある。その本格化第一弾となりそうなのが新型ノートe-POWERである。

 新型ノートe-POWERはヤリスに初めて乗った時に感じた「オッ」という雰囲気に通じるものを、万人向けながら目が覚めるような新しさを持つ内外装から予感させる。

 機能面も日産ルノーアライアンスで幅広く使われると思われる新しいプラットホームを使い、パワートレーンもアクセルを踏んだ際のレスポンスのよさなどで爆発的ヒットとなった2モーターハイブリッドのe-POWERを大幅に改良し、最上級グレードのXには日産を代表する技術でもあるプロパイロットが装着可能と、機能面の仕上がりも良好な予感がする。

 何よりも関心が薄くなっていた日産に期待感や「乗ってみたい」という気持ちが持てるようになっただけでも、新型ノートe-POWERの功績は大きいのではないだろうか。

時代を変えた日本車5/スバルレヴォーグ

新型レヴォーグはSGP+フルインナーフレーム構造の採用で、従来型よりもボディのねじり剛性を44%もアップ。走りの楽しさと先進の安全性を両立しているのが凄い
新型レヴォーグはSGP+フルインナーフレーム構造の採用で、従来型よりもボディのねじり剛性を44%もアップ。走りの楽しさと先進の安全性を両立しているのが凄い
ステレオカメラは従来までの日立オートモティブ製からスウェーデンのヴィオニア社製に変更。これに新たに前方の左右側方と後方の左右側方に計4つのミリ波レーダーおよび電動ブレーキブースターを採用し、車両の周囲360度をセンシングすることが可能になった
ステレオカメラは従来までの日立オートモティブ製からスウェーデンのヴィオニア社製に変更。これに新たに前方の左右側方と後方の左右側方に計4つのミリ波レーダーおよび電動ブレーキブースターを採用し、車両の周囲360度をセンシングすることが可能になった
スバル車では初採用となる、約50km/h以下の渋滞時でのハンズオフアシスト機能
スバル車では初採用となる、約50km/h以下の渋滞時でのハンズオフアシスト機能

 2018年の東京モーターショーでのプロトタイプの公開、2020年夏頃から始まったプロモーションを経て、2020年10月に登場した新型レヴォーグは、コンセプト自体は「日本のユーザーに向けたミドルステーションワゴン」と先代モデルからそう変わらない。

 しかし、新型レヴォーグで凄いのは各部の磨き込みである。具体的には、プラットホームは現行インプレッサで登場したSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)だが、コストや生産の手間も掛かるインナーフレーム向上の採用により、クルマの基盤となるボディ剛性を大幅に強化。

 さらにシャシー関係ではステアリング系の強化、トップグレードとなるSTIスポーツでは名門ザックスの電子制御ダンパーも使ったドライブモードセレクトを採用。

 パワートレーンも新開発となる1.8L水平対向4気筒ターボを搭載する。このCB18型ターボエンジンはバランス型で十分な動力性能を持ち、「もう少し燃費が向上すれば文句ないのに」と思うところもある。

 とはいえ、非常にコンパクトな点や、これまでの水平対向エンジンを搭載するスバル車の弱点だったコールドスタートからの暖気が速くなるなど大幅に進化。ガソリンエンジンの高い可能性を感じさせてくれた。

 スバル車の基幹技術となっているアイサイトも周囲の情報収集を行うステレオカメラの小型化&高性能化、ミリ波レーダーの追加により、対停止車両への自動ブレーキでの制動可能速度が50km/hから60km/hに引き上げられるなど、基本性能が大幅に向上した。

 全グレードに設定されるEX系はさらに進んだソフトウェアの搭載により、渋滞時のハンズオフアシスト、自動車専用道路でのコーナー進入時のスピード調整、ETCゲートへの対応、ドライバーに体調など、異常が起きた際にクルマを停止する機能などが加わる、アイサイトXが装備される。

 そして新型レヴォーグの素晴らしさは安全関係も含め、これだけ内容の濃いクルマをアイサイトX装着車でも約350万円から400万円という現実的な範囲の価格で買えることだ。

 ヤリスとフィットという強敵との戦いを制し、「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したのも納得だ。

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 こうしてみていくと、改めて2020年に登場した大物新型車のインパクトの強さを実感する。

 2020年が1989年のようなビンテージイヤー(当たり年)となることは間違いないのを喜ぶのと同時に、これを読んだみなさんも、ぜひ今回紹介した、時代を変えた日本車を購入して体感してほしい。

 こんな年が数年に1回はあるよう日本の自動車メーカーにはこれからも頑張ってほしいものだ。

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