アクア、フィット…初期型はイマイチでも改良で名誉挽回したクルマたち 5選

■フェラーリ488GTB

 488GTBは、458イタリアのあとを継いで登場したフェラーリのV8ミドシップモデル。

 現在はF8トリビュートに切り替わって旧型になったけど、なにせフェラーリはV8ミドシップが一番売れるし、一番スポーティだし、とにかくメインストリームだ。ところがこの488GTB、登場当初は非常にガッカリさせられた。

 ルックスも458の改悪版だったけど、なによりもターボ化されたエンジンフィールに刺激がなかった。

「自然吸気のようなフィーリングを実現したターボ」という触れ込みだったけど、458イタリアの宇宙まで突き抜けるような回転フィールは失われ、ただ速いだけ。

フェラーリでも初期がダメなクルマってあるんですねぇ……。488GTB、中古価格は大体2400万円くらいだ
フェラーリでも初期がダメなクルマってあるんですねぇ……。488GTB、中古価格は大体2400万円くらいだ

 ハンドリングに関しても、458の曲がりすぎるほど曲がるUFOのような操縦性に比べると、はるかに穏やかかつ常識的で、フェラーリらしいビリビリしたヤバい感覚がなかった。

 今後のフェラーリがみんなこんな風になるならば、フェラーリは終わった……とすら思った。

 ところが今年、その488GTBの最後期モデルに乗る機会があってビックリ。まるでフィーリングが変わっていた!

 エンジンはギュイーンと突き抜けるし、ハンドリングも458のUFO感が復活! 絶対性能はともかく、乗った感じは初期モデルとはまったくの別物になっていた!

 モデル途中での仕様変更は、メーカーからのアナウンスがなければわからない。フェラーリは、車名が変わらない限りそういうアナウンスをまずやらない。

 そんなに乗る機会もないから、どうしても初期モデルのイメージが固定されてしまう。でも488GTBは、最後にはしっかり刺激的になっていたんだね! 見直しました。

(TEXT/清水草一)

■日産 スカイラインV37

 スカイラインは11代目のV35系からプレミアムスポーツセダンを目指し、コンセプトを大きく変えた。

 それまでは日本のファンをターゲットにしていたが、この11代目からは世界に飛び出したのである。

 新世代のFMプラットフォームを採用し、エンジンは伝統の直列6気筒ではなくコンパクト設計のV型6気筒DOHCだ。ターボもない。

 この大英断は裏目に出て、スカイラインのファンは離れていった。12代目のV36系スカイラインもV35系の延長だったから、販売は伸び悩んでいる。

 13代目のV37系スカイラインは2013年秋にベールを脱いだ。ボディサイズはひと回り大きくなり、全幅は1.8mを超えた。

 だが、先進的なメカニズムを積極的に盛り込み、スカイライン初のハイブリッド車を主役に据えている。また、遅れて2Lの直列4気筒DOHCターボも送り込んだ。スポーティ路線に回帰したが、それでも人気は上向かない。

 だが、2019年秋に大がかりなマイナーチェンジを断行し、一気に風向きが変わるのである。

当初は日産のバッジすら付けられていなかったV37スカイライン。確かに名誉挽回したクルマではあろうが、往年の人気を考えるとまだまだ!
当初は日産のバッジすら付けられていなかったV37スカイライン。確かに名誉挽回したクルマではあろうが、往年の人気を考えるとまだまだ!

 日本車で初めて同一車線内でハンズオフ、手放し運転が可能な「プロパイロット2.0」を搭載し、フロントには久しぶりに日産エンブレムが付けられた。

 また、リアランプも伝統の丸型2連タイプだ。それだけではない。ハイパフォーマンスを誇る硬派の400Rも投入したのである。

 パワフルなエンジンと切れ味鋭いハンドリングを取り戻し、独特のオーラを放つ最新のスカイラインは、往年のファンとマニアを再び振り向かせた。

 そういえば、ハコスカも最初は今一歩の人気だったが、2000GTやハードトップを加えたら大ブレイクしたのである。スカイラインは伝統的に後期モデルのほうが人気者になる図式のようだ。

(TEXT/片岡英明)

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