2019年12月の「タイプS」カタログモデル受注終了をもって国内の表舞台からは姿を消したスバル WRX STI。
そんな中、スバル・モータースポーツUSAが「究極のWRX STI」とも言うべきジムカーナ用車両を生み出した。
狂気すら感じさせるこのマシンをじっくりご紹介!!!
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※本稿は2020年12月のものです
文/永田恵一、写真/SUBARU、HOONIGAN
初出:『ベストカー』 2021年1月10日号
■あのケン・ブロック率いるフーニガンのスペシャルマシンが顕現!!!
日本では惜しまれながら絶版となったWRX STIだが、アメリカでは2.5LのEJ25ターボを搭載したモデルがこの原稿を書いている2020年11月25日現在、Webに残っている。
WRX STIがアメリカでも一時的にせよ姿を消す日は遠くないのだろうが、そのフィナーレに花を添えるようにスバルモータースポーツUSAがWRX STIをベースにした強烈なジムカーナ車両を発表した。
ラリーやラリークロス(ラリーとレースをミックスしたイメージの環状のクローズドコースで行われるモータースポーツ)などに参戦するスバルモータースポーツUSAとテクニカルパートナーのバーモントスポーツカーの合作となるこのWRX STIは、あのケン・ブロック選手率いるフーニガン製作の『ジムカーナ』ビデオシリーズの次回作で使用するために作られたスペシャル車両である。
ドライバーは、少年期に2輪のフリースタイルモトクロスでのデビュー後、2輪でも豊富なラリー経験を持ち、スタントマン的なクルマを使ったアクションも得意とするトラビス・パストラーナ選手が務める。
スペシャル車両を見ていくと、まずカラスのような黒いボディとド派手なカナードやオーバーフェンダー、リアウイングやディフューザーといったエアロパーツが目を引く。
ボディがカラスのように黒いのは、ドアやボンネットなどカーボン製のボディパネルを多用しているためで、塗装されていないことがより競技車両らしいスパルタンさを際立てている。
また、発表されていない車重も気になるところだ。
加えてクルマを側面から見るとわかるとおり、前後フェンダーが潔くカットされているのは、WRCの上位カテゴリーに参戦するラリーカーのようにストロークの長~いサスペンションを装着するためで、いかにもタイヤの接地性がよさそうだ。
ホイールハウスが拡大されたエンジンルームを含めたエンジンに関する詳細な情報はないが、インタークーラーはエンジン上部から車体前方に移動されており、EJ25ターボエンジンの排気量アップやエンジン本体のチューニング、大きなタービンへの交換くらいは行われているだろう。
加えて本来テールにつくマフラーはなんとボンネットから飛び出しており、走行中に「ボンネットから火が出る」というエンタテインメントも見られそうだ。
トドメにリアドアやトランクリッドの開口部を見るとわかるように、ラジエターはリアに移動されており、重量配分もより適正なものとなっているに違いない。
このスペシャル車両はすでにシェイクダウンが行われており、その動画を見ると仕上がりはシェイクダウンから良好なようで、もうパストラーナ選手の手足のような動きを見せている。
パストラーナ選手は「このWRX STIは改造範囲無制限で作られているだけに、速いうえに大変コントローラブルでシェイクダウンからパーフェクトと、完成度はアメージングです。私にとってジムカーナは初めての挑戦ですが、よきパートナーになってくれるでしょう」とコメントしている。
次期WRX STIの登場が待ち遠しいところだが、それまでの間はこのスペシャル車両がファンを楽しませてくれるに違いない。
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