■R34型日産 スカイラインGT-R(1999年)/伝統の丸型4灯テールランプ
そんななか、異彩を放っているのは、R34GT-Rだ。テールランプはスカイライン伝統の丸型4灯なので、厳密には「個性が光るテールランプ」じゃないけれど、そのテール形状は見事なほどスパッと切り落としたコーダトロンカ。
しかも上に微妙に湾曲しつつ切り落としてあり、デリカシーのカケラもない。それが野蛮なまでの力強さを生んでいる。コーダトロンカはジェット機のジェット噴射口であり、丸型4灯はその炎なのである。
■現行トヨタ プリウス前期型(2015年)/クリスマスツリー型で個性的だったが不評で改良
近年の国産車で最も個性的なテールランプは、現行プリウス前期型のソレだ。点灯していなければ縦長異形で、それほど個性的ではないけれど、点灯すると細いLEDがクリスマスツリー(稲妻型?)のように浮き上がり、その未来的な美しさに見とれる。
前期型プリウスはフロントフェイスが世界的に不評で、マイナーチェンジ時にリアもごく平凡な形状に変更されてしまったが、個人的には「惜しい!」と思ったものだ。
■マセラティ 3200GT(1998年)/ブーメラン型が不評で扇型へ
欧州車は伝統的にテールランプが小さめで、その形状で個性を競うことはまれだったが、記憶に鮮明なのはマセラティ3200GTのブーメラン型テールランプだ。形状は非常にシンプルで、さすがジウジアーロ! という感じだが、ジウジアーロ本人は当初オーソドックスな楕円形を提案。
それをマセラティ側の要求で個性的なものにチェンジしたというから皮肉だ。しかもこのブーメランが個性的すぎて不評で、後期型はオーソドックスな扇型に変えられてしまった。そのあたりの経緯は、現行プリウスに似ていると言えなくもない。
■アルファロメオ ジュリエッタ(2010年)/ひと筆書きの線香型
アルファロメオ創立100周年にあたる2010年のジュネーブショーでデビューした(日本は2012年)ジュリエッタの蚊取り線香型テールランプも、プリウスの稲妻同様、点灯するとくっきり浮き上がる。そして我々を魅了する。シンプルでありながら実に個性的で、文字通り光っている。
残念ながら現行ジュリエッタは2021年中に生産を終えることが発表されている。
■BMW i8(2003年)/スーパーカーデザインの傑作
BMW i8のテールランプは、その上部のボディの切れ込みや全体形状により、キリッとした眉毛の下の目に見える。
お尻にも顔があるクルマはそれほど珍しくないが、i8のソレはとても表情豊かでユニークだ。全体としても、スーパーカーデザインの傑作のひとつに数えられるだろう。
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