フロントマスクよりもテールランプのほうが衝撃的なクルマ

■マツダ R360クーペ(1960年)/小さいテールフィン

シンプルなのに個性が光る、マツダ R360クーペのデザイン
シンプルなのに個性が光る、マツダ R360クーペのデザイン

 このムーヴメントは日本にも多大な影響を与えた。初代クラウンには小さいながらにテールフィンがあった。今見ても超キュートでカワイイのは、マツダR360のテールランプだ。

 これもテールフィンの流れなのだが、その小ささ、控え目さは、日本人の謙譲そのもの。R360はフォルム全体が個性のカタマリだが、コロンと丸まったテール形状にも強く引き込まれるし、小さなテールランプも個性が光っている。

■日産 チェリークーペ(1971年)/噴射口を思わせる丸形2灯ヘッドランプ

リアフォルムは近未来的な雰囲気もあって、丸型2灯のテールランプがよく似合うデザイン
リアフォルムは近未来的な雰囲気もあって、丸型2灯のテールランプがよく似合うデザイン

 1971年に登場した日産 チェリークーペのテールも超個性的だ。セミファストバックとも呼ばれるこの異様に盛り上がった背中、富士山をモチーフにしたといわれるCピラー、そして噴射口を思わせないでもない丸型2灯のテールランプは、どこか1950年代アメ車の面影がある。

■2代目日産 ローレル(1972年)/ブタケツローレル

フロンマスクよりもリアフォルムが注目される、代表的な1台。そのポイントとなっているのが、低い位置に配置されたテールランプだ
フロンマスクよりもリアフォルムが注目される、代表的な1台。そのポイントとなっているのが、低い位置に配置されたテールランプだ

 翌1972年の2代目ローレルは「ブタケツ」「カンオケ」と呼ばれ、改造車のベースとして人気だったが、全体的にアメ車の影響が強く、持ち上がった「ブタケツ」もテールフィンの名残り。

 テールランプはオーソドックスな横長タイプだが、位置が低いので個性的に見える。実にインパクトのあるテールランプである。

■初代トヨタ セリカリフトバック(1973年)/縦型3灯×2で個性を主張

丸目4灯のヘッドライトに対して、縦長のテールランプを採用。個性的ではあるが、違和感なくまとめられている
丸目4灯のヘッドライトに対して、縦長のテールランプを採用。個性的ではあるが、違和感なくまとめられている

 セリカリフトバックは、1970年に登場した初代セリカクーペ(だるまセリカと呼ばれた)が登場してから2年半が経った、1973年4月に発売された追加モデルだった。リフトバックはトヨタ独自の呼称で、一般的にはファストバックと呼ばれている。

 リフトバックのテールランプは、縦長形状が左右に3つずつ並んだ個性的なものだった。こちらのモチーフは初代フォード マスタングだ。マスタングは現在でもこの形状を守っている。

■日産 レパードJフェリー(1992年)/尻下がりでイルカのようなフォルム

ある意味衝撃的だったレパードJフェリーのデザイン。なかでも特徴的なテールランプのリアフォルムはインパクト大であった
ある意味衝撃的だったレパードJフェリーのデザイン。なかでも特徴的なテールランプのリアフォルムはインパクト大であった

 尻下がりデザインで大不評を買ったレパードJフェリー(1992年)のデザインは、歴代キャデラックなどが採用していた尻下がりフォルムがモチーフになっている。

 当時の我々には「ウゲェ!」以外の何物でもなかったが、30年経った今は、流麗で美しいテール形状に見える。左右が連結されたシャープなテールランプも個性が光っている。

■2代目トヨタ クラウンマジェスタ(1995年)/ネコ耳型の縦型テールランプ

リアエンドの両サイドに配置された縦長のテールランプは、まさに「ネコ耳型」という表現がピッタリだ
リアエンドの両サイドに配置された縦長のテールランプは、まさに「ネコ耳型」という表現がピッタリだ

 2代目クラウンマジェスタ(1995年)の取ってつけたようなネコ耳型縦長テールランプは、決して個性が光っているとは言えないが、これまた当然アメ車がモチーフ。テールフィンから続くアメリカンなテールランプは、1990年代まで世界にその影響を残したってことですね。

 アメ車系テールランプから離れると、「個性が光るテールランプ」は意外なほど希少になる。個性的なヘッドライトはいくらでもあるが、テールランプは多くのクルマが定番を守っているのだ。

次ページは : ■R34型日産 スカイラインGT-R(1999年)/伝統の丸型4灯テールランプ

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!