マーベルコミックを代表する作品『アイアンマン』の映画化は大きな成功をおさめ、その後さまざまなスピンオフ作品を生み出している。
主人公たちの軽妙な駆け引きやアイアンマンのスーツのギミックが大きな魅力だが、実は印象的なクルマも登場する。
その魅力に迫ろう!
文/渡辺麻紀
写真/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■ハリウッドの一大ジャンルとなった『アメコミ映画』
22年のお正月早々に公開され、大きな話題となっている『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』。ハリウッドのひとつのジャンルとなった“アメコミ映画”のメインストリーム、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作だ。
MCUの映画はこれまで失敗したことがない点でも知られているが、その最初の作品となったのが08年の『アイアンマン』。
ロバート・ダウニーJr.がトニー・スタークことアイアンマンを演じ、『~ノーウェイ・ホーム』にも役者として出演しているジョン・ファブローがメガホンを取った本作がクオリティ&興行ともに大成功を収め、MCUの快進撃が始まったのだ。
というわけで、今回はMCUの記念すべき第1弾『アイアンマン』をご紹介したいと思う。
■さすがは社長!? トニー・スタークの愛車は高級車揃い
ここで描かれるのはアイアンマンの誕生物語である。
巨大軍需産業、スターク・インダストリーの社長トニー・スタークは同社の兵器開発も手掛ける天才的技術者。そんな彼が、自ら開発した新兵器のプロモーションを兼ねてアフガニスタンの戦地を訪れる。ところが移動中、テン・リングスを名乗るテロ組織に拉致されてしまうのだ。
軍需産業を推進することに何のためらいもなかったトニーがこの経験によって改心。そのとき脱出のために作った甲鉄のボディアーマーをベースに、パワードスーツのマーク1を開発し、自らそれを身に付けてアイアンマンを名乗る。
超リッチな上に天才、だからモテるというのがトニー・スターク。自家用ジェットに乗り、マリブの豪邸に住み、その家の地下には最新の設備が揃ったプライベートのラボもある。
トニーはそのラボで、コンピュータを相棒に黙々とマーク1を開発するのだが、車ファン的に注目したいのは、実験を行う駐車場に並んだ4台の車。
まず、目に飛び込んでくるのは、シルバーのテスラ ロードスター(この車は監督のファブローのものだという)。そして白いラインでお馴染みのシェルビー コブラ。さらにオレンジ色が強烈なサリーン社の公道を走れるレーシングカー、サリーンS7、そしてアウディのR8と名車がズラリと並んでいるのだ。
もちろん、すべて1000万円以上なので、全部合わせるといくらくらいになるんだろう……と、庶民はついつい考えてしまうが、トニーはそんなことはどうでもいい。秘密裡に進めていたマーク1の飛行実験を大胆にも名車が並ぶ駐車場で行い、あろうことかコブラをぺしゃんこに潰したりする。ああ、もったいない!
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