誰が見てもブーンにしか見えないスバルの欧州向けコンパクト
スバルのジャスティと言えば、量産車として世界で初めてCVTを搭載した初代モデルか、現在販売中のトールワゴンとなった現行モデルが知られるところ。海外では初代と現行型の間に3世代のジャスティが存在しており、通算2代目と3代目をスズキから、そして通算4代目となるモデルがダイハツからOEM供給されていいたのである。
その3代目モデルこそが写真のモデルで、日本ではダイハツ ブーンとして販売されていたモデルがジャスティ名義で販売されていたのだ。この3代目ジャスティ、グリルこそ当時のスバル車が採用していた飛行機の翼を模したデザインを採用していたが、それ以外はベース車とほとんど変わることがなく、一瞬写真を見ただけでは判別がつかないレベルの小さな差異しかなかった。
ちなみにボンネット先端にも加飾が備わっているのは、ベースとなったブーンのボンネットにCIマークを装着する際の取り付け穴が存在しており、それを隠すためと思われる。
相互OEMで実現したいすゞのミニバン
現在は完全に乗用車市場から撤退してしまっているいすゞだが、90年代は他メーカーからOEM供給を受けて乗用車を販売していたことを覚えている人も多いことだろう。そんないすゞが北米市場でのみOEM販売をしていたのが「いすゞ オアシス」である。
当時、ホンダは本格的なSUVをラインナップに持っていなかったため、いすゞのロデオ(日本名:ミューウィザード)やビッグホーンのOEM供給を受けて北米市場で販売しており、その相互OEMとしてオデッセイをオアシスとして供給していたというワケ。
このモデルも基本的にはエンブレムと車名のみを置き換えたものだったが、オデッセイがマイナーチェンジを実施して後期型になり、エクステリアが一部変更されたあとも、オアシスは前期型のままのルックスで販売されていた(エンジンはオデッセイと同じく2.3Lへ換装されている)。外観での前期後期の判別が難しくなっているのも特徴のひとつだ。
難易度No.1 これがわかったら博士級
マツダ121といえば日本で販売されていたフォード フェスティバ(初代)やオートザム レビュー、初代デミオの輸出名としても知られているが(実は初代121は2代目コスモのレシプロエンジン搭載車だったりする)、90年代後半に初代デミオがオセアニア地域でマツダ121として売られていたのと時を同じくして、欧州では全く異なる車種が同じ名前で販売されていたのだ。
そのベースとなったのは4世代目のフォード フィエスタ。当時、マツダはフォード傘下であったことから、自然の成り行きと言えるかもしれない。フィエスタと同じ工場で生産され、エンブレムや車名のみが異なる純然たるOEMモデルだったのだが、当時はフィエスタよりもマツダ121の信頼性が高いという市場調査の結果があったよう。販売店のおかげなのか、はたまた日本のブランドだからという思い込みがあったかは定かではない。
このように、日本でおなじみの車種であっても違う名前で販売されていたり、おなじみの名前なのに見たこともない姿の車両だったりというのもOEMモデルの面白いところ。他人と同じクルマはイヤだと考えている人は、こういったマイナーなOEMモデルを狙ってみるのも面白いかもしれない。
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