これぞ街の遊撃手!! 街乗りでも最高に楽しい優駿“車” 5選

 一般ユーザーにとって、サーキットはもちろんのこと、わざわざワインディングロードを攻めたりする機会はそう多くない。私のようなマニアですら、高齢ゆえにどちらも引退しました。涙が出ます。

 しかし、車の楽しみは、限界まで攻めなきゃ味わえないわけではない。そこらの信号から加速して、そこらの角を曲がるだけでも、車によっては十分すぎるほど楽しいではないか!

 ただし、日常的な運転の中に、小さなシアワセを見つけるためには、ハイパワーな本格スポーツではなく、キビキビ走るコンパクトカーのほうが向いている。

 そこで、今回はむしろ何ということもない街中でこそ、“日常的に楽しさ”を感じられるクルマを5台ばかり選んでみた。どれも飛びぬけてパワフルではないけれど、気軽に楽しさを味わえる現代の“街の遊撃手”だ。

文:清水草一
写真:編集部


「街角でも楽しい万能な一台」スイフトスポーツ

スイフトスポーツ/全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm、車重:970kg、エンジン:1.4L直4ターボ、エンジン出力&トルク:140ps/23.4kgm、価格:183万6000円

「スポーツ」と車名に付くだけに、本格的に楽しむこともできるが、街角でも十分に楽しい万能な一台がこれだ!

 まず、エンジンが楽しい。1.4Lターボは、上まで回すと5000回転くらいからちょっと苦しそうになるけれど、その分、2000回転前後の日常域がとっても楽しい。適度にトルクが湧き出して、思い通りプラスアルファで加速してくれる。

 実はこの「プラスアルファ」が大事。「思ったより速い!」と日常的に思えることが、日常のヨロコビにつながるのです。

 エンジンが楽しいだけでなく、スイフトスポーツはトランスミッションもいい。6MTが楽しめるのは言うまでもないが、6ATでもダイレクト感があって十分イイ。間口が広いところがうれしいじゃないか!

 足回りは、フツーにキビキビしていてキビキビ曲がる。「本気で攻めるとアンダーステア」と言われているが、本気で攻める人は足回りを交換してください。私はこのままで十分です。それでもちょっと硬すぎるけど、とにかくトータルでは間違いなく“街の遊撃手”。

「予想外にクイックで楽しい」アクア

アクア/全長×全幅×全高:4050×1695×1455mm、車重:1090kg、パワーユニット:1.5L直列4気筒+モーター(74ps/11.3kgm=エンジン、システム出力:100ps)価格:188万6760円(S)

 多くのクルマ好きが舐めていると思うが、アクアは相当運転が楽しい車である。それは、アクアの最初期型を4年間乗った私がマジで証言する。

 アクアの楽しみは、低重心がもたらすコーナリングにある。アクアのハイブリッドバッテリー搭載位置は、後席の下。トランク下のプリウスとは素性が違う。

 重量物を中央後ろよりのフロア直上に積んでいるおかげで、ステアリングレスポンスがとっても自然にクイック。街角のコーナリングがイイ! そこらの角をキュッと曲がるのが、とっても楽しい車なのだ。

 当時私は、自家用車がフェラーリ 458イタリアとアクアという体制だったが、アクアの日常的なコーナリングの楽しさは、458イタリアにソックリだった。冗談ではなく。
 
 1.5Lのハイブリッドシステムは、ダイレクト感皆無の超絶のれんに腕押しだが、このコーナリング性能だけで十分です。

 アクアはすでに登場から8年もたっているが、最近のモデルを試乗してみても、素性の良さはそのままだった。8年もたった車をわざわざ新車で買うのもナンだと思ったら、最も足回りがスポーティだった最初期型の中古車をオススメする。タイヤをちょいスポーティなものに交換すれば、それこそ街の遊撃手。

 ただしアクアは、最初のマイチェンで足が骨抜きのフニャフニャになったという暗黒時代があるので、年式には注意が必要だ。マニアックでスマン。

「街中加速はピカイチ」ノート e-POWER NISMO

ノート e-POWER NISMO S/全長×全幅×全高:4165×1695×1535mm、車重:1250kg、パワーユニット:EM57型モーター+1.2L直3エンジン、モーター出力&トルク:136ps/32.6kgm、価格:267万1920円

 初めてノート e-POWERに乗った時、「この強力な回生ブレーキ、確かに楽しいけれど、一般ユーザーには違和感が強すぎるだろうなぁ」と思ったものです。

 フタを開けてみたら、それが一般ユーザーにバカウケして、ノートは販売台数でプリウスを超えてしまった。超ポピュラーになったがゆえに甘く見られてしまうが、このワンペダルドライブの楽しさは、あらゆる層に訴求するってことだネ!

 そんなノートe-POWERの「NISMO S」は、モーターがセレナ e-POWERと同じ強力なものに交換されているから、加速はさらにグッと来る。モード選択も6種類になってるので、回生ブレーキの強さも6段階で選べる。

 この楽しさは、高速道路とかよりも、加減速の多い街角でこそ生きる! 日常的に楽しめるってスバラシイ。

 シャシーはフツーです。乗り心地はかなりしなやか系で、フツーに快適。決してキビキビ曲がるほうじゃない。ただ、決してダメダメでもなく、トータルでは中の上くらいの感じ。とにかくモーターによる加減速だけで、街の遊撃手に当確だ。内装のセンスのなさが残念。

「世界最強の街の遊撃手!?」ルノー トゥインゴ

ルノー トゥインゴ インテンス/全長×全幅×全高:3620×1650×1545mm、車重:1010kg、エンジン:0.9L直3ターボ、エンジン出力&トルク:90ps/13.8kgm、価格:194万円

 トゥインゴの街の遊撃手ぶりは、おそらく世界最強だ。なにしろRR(=リアエンジン・リア駆動)なのだ! それも古典的な! 

 三菱 iは、RRのオーバーステアを殺すためにウルトラアンダーステアにセッティングされていたが、ルノーはそういう姑息な手は使ってない。

 そこらの角を曲がるたびに、軽いノーズはクインとインを向き、立ち上がりではナロー時代のポルシェ911みたいなおケツの張り出しを感じることができる! それがメチャメチャ楽しいのです。こんなマニアックなヨロコビが、この値段で味わえるなんて信じられん。

 トゥインゴの楽しさは、街角コーナリングだけではない。街中加速もとっても楽しい。 1Lターボで、常に「思い通りプラスアルファ」の痛快な加速を楽しめる(ターボエンジン車に限る)。

 実はコーナリングも、楽しいのはターボモデルで、ノンターボはMTでもトルクがなさすぎて、お尻を張り出させるまでイケない。トゥインゴは断然ターボ! DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)で十分です。DCTのダイレクトさはMTと変わらないので。

 個人的には、トゥインゴのターボモデルのフツーのグレード(インテンス)DCT車がベストだ。これが「GT」になると、コーナリング限界が上がちゃってて、街角でちっとも楽しくなくなる。インテンスこそ、ふんわりした足回りでキビキビ走る、フランスの実用車の楽しみを満喫できるグレードだ。そこんところは重要です。

「実用域が最高に楽しい」シトロエンDS3

シトロエン DS3 /全長×全幅×全高:3965×1715×1455mm、車重:1170kg、エンジン:1.2L直3ターボ、エンジン出力&トルク:110ps/20.9kgm、価格:259万円

 最後の一台は、現在のわが愛車の1台を推薦させていただきましょう。DS3 シック、PSA製の1.2Lターボエンジンとアイシン製6速ATの組み合わせです。

 実を言えば、このパワートレインを積んでる車なら、どのモデルでも同じように楽しい。プジョー208、308、シトロエン C3でも可です。

 このパワートレインの何がいいかって、ひたすら実用域でのトルク感や、3気筒の軽やかな回転フィール。それに尽きる。ただただキュオーンと空飛ぶみたいに加速する(気がする)のだ!

 この小排気量でありながら、1400回転くらいから痛快な加速が炸裂しまくって、「おっとっと、速すぎる」ってなるのがすんごく楽しい。その分高回転域では伸びないけど、街の遊撃手は実用域の快楽が断然重要だ。

 知り合いの奥様が、このパワートレイン搭載のプジョー308に乗っていて、ダンナが「BMW320dに買い替えよう」って決めてきたのに、「絶対ヤダ! このクルマがイイ!」って断固拒否したって話を聞いたけど、さもありなん。

 街角では、信号からフツーに発進するだけで楽しいのだから。ホントに空飛んでくみたいに、軽やかに加速して行くのですよ。

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