■4ストロークガソリン車は9.9ps、電動推進機は5.44ps
この電動推進機の中身を見ていこう。電動化の要となる電動パワーユニットは4kW(5.44ps)で、ギアケースやプロペラなどロアーユニットなどのフレーム領域をトーハツが製作した。
バッテリーはホンダの二輪車用、交換可能な着脱式の「ホンダモバイルパワーパックe」を堀川遊覧船には電動推進機1機あたり2基搭載している。容量は1基あたり1.314kWhで、重量は約10kg。
9.9psの4ストロークエンジンと、この電動推進機のスペックを比較してみよう。最高出力は4ストロークエンジンの9.9psに対し、電動推進機は4kW(5.44ps)。
電動モーターのスペック的には電動推進機の出力より約4.5ps低いから遅いと思われがちだが、電動モーターは低速トルクが大きいので、5km/hまでの加速タイムはエンジン船と電動推進機搭載船は3.6秒と同じとのこと。
またプロペラを回転させる回生制御はエンジンよりも素早く回転をゼロにできるようにして、9.9psのエンジン船外機と同等の制動距離を実現している。
外観はエンジン船外機に比べてかなりコンパクト。モーターとPCUを並列に並べたことで上下に薄くできたという。エンジン船外機は吸気機構が必要だが、吸気機構は電動推進機にはないため、操舵角を大きくすることができ、最小回転半径はエンジン船の1.8mより0.7mも小さい1.1mと大幅に向上。
またエンジン船外機はエンジンを逆回転するレバーが後方にあるため、一度グリップから手を離し両手で行う必要があるが、電動推進機の場合は操舵レバーの先端にあるスイッチ1つで行えるというのも使い勝手がいい。
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