アコードは復活したのになぜカムリは国内販売終了? 代わりは11月発表のクラウンセダンか!?

■カムリの魅力はどこにある? 日本復活はないのか?

1980年1月登場の初代ではセダン版セリカという扱いで「セリカカムリ」という車名だった
1980年1月登場の初代ではセダン版セリカという扱いで「セリカカムリ」という車名だった

 50代以上のおじさん世代にとって、カムリはどんな存在だったのだろうか、43年10代にわたるカムリの歴史を振り返ってみよう。

 カムリの初代モデルは、セリカカムリの車名が表すように、セリカの兄弟車となるFRのスポーツセダンとして1980年に登場した。

 初代の販売期間は短く、1982年に2代目に移行。初代はビスタ店での販売だったが、「広いセダン」を売りにしたFFになった2代目はカローラ店での専売となり、ビスタ店で販売される初代ビスタが誕生。

1986年8月登場の3代目カムリ。豪華な装いでFFのマークIIとも呼ばれ評価も高かった
1986年8月登場の3代目カムリ。豪華な装いでFFのマークIIとも呼ばれ評価も高かった

 3代目は1986年に登場。質素だった2代目に対し「FFのマークII」と呼ばれるほどゴージャスなクルマとなり、ビスタにはハードトップも加わった。さらにカムリには2代目でV6エンジンを搭載するプロミネントが追加され、アメリカでの生産も始まった。

1990年7月登場の4代目カムリ。写真はカムリプロミネント
1990年7月登場の4代目カムリ。写真はカムリプロミネント

 1990年登場の4代目から、カムリの立ち位置は微妙に変わり始め、日本向けは3代目のキープコンセプトながら、北米向けはボディサイズが拡大され、日本においてはセプターの車名で販売されたのだ。

 5代目は北米カムリとの部品の共通化率を高めた3ナンバーモデルとして計画されていたがバブル経済崩壊の影響から変更され、5ナンバーサイズとなった。

1994年7月登場の5代目カムリ
1994年7月登場の5代目カムリ

 セプターは1996年に後継車となるカムリグラシアに移行、これが実質6代目カムリとなる。グラシア以降カムリは現在のポジションに落ち着いた。

2017年7月登場の10代目カムリ
2017年7月登場の10代目カムリ

 2017年7月登場の現行型10代目は全体的にアグレッシブなモデルとなり、スポーティグレードも登場。

 北米では2023年7月に2024年モデルが発表され、2.5Lガソリン、2.5Lハイブリッド、3.5L、V6(TRD)という3種類のパワートレインを用意。

 インテリアは4.2インチまたは7インチのTFTメーターのほか、マルチインフォメーションディスプレイは7インチもしくは9インチとなり、安全装備についてもダイナミックレーダークルーズコントロールやレーンディパーチャーアラートなどの機能を備えた予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス 2.5+」を標準装備。

 FFだから後席は広いし、快適そのもの。個人タクシーのカムリに乗ったことがあるが、先代クラウンセダンより広く感じた。

10代目カムリWSレザーパッケージのインテリア
10代目カムリWSレザーパッケージのインテリア

 5代目あたりから北米でベストセラーセダンのイメージがあったが日本ではさっぱりという印象があった(アコードもそう)が、それは最後まで拭えなかった。

 トヨタディーラーの営業マンにカムリ終売について聞いてみると「ミドルサイズのセダンが欲しいという方は多くいらっしゃいます。ただSUVが人気となっていますのでセダンの人気が下がっているのは事実です。クラウンクロスオーバーもありますし、今後、SUVのクラウンスポーツ、クラウンセダンが発売予定となっていますので、そちらをおススメしています」。

FFなので後席スペースは広々としているカムリのインテリア
FFなので後席スペースは広々としているカムリのインテリア

■カムリの代わりは11月発表予定のクラウンセダン!?

2023年5月27日、富士スピードウェイで初披露された新型クラウンセダン(最終プロト)
2023年5月27日、富士スピードウェイで初披露された新型クラウンセダン(最終プロト)

 カムリの代わりになるのは、2023年11月に発表予定の新型クラウンセダンだろう。FFのカムリと違って、新型クラウンセダンはFRとなるのが濃厚。

 2023年5月27日、富士スピードウェイにて行われたスーパー耐久レースで新型クラウンセダンのプロトタイプが公開されたのを覚えている人も多いはず。

 パワートレインはFCEVとHEVの2仕様が用意され、今回の展示は水素を充填し電気モーターで駆動するFCEV仕様。

リアCピラーは寝かせられており、ハッチバックに近いフォルム。リアタイヤ周りは盛り上がっているようなデザインで、力強さを感じるデザイン
リアCピラーは寝かせられており、ハッチバックに近いフォルム。リアタイヤ周りは盛り上がっているようなデザインで、力強さを感じるデザイン

 ボディサイズはMIRAIよりホイールベースを80mm伸ばして全長は5030mm、(これまでのクラウンセダンには全幅1800mmまでという縛りがあったが)全幅1890mm、全高1470mm、ホイールベース3000mm。

 堂々としたフォルムは、広大でゆったりした室内空間の快適性と高級車らしい存在感のあるデザインで、セダンらしいスマートな佇まいをすべて併せ持つ。

5名乗りで、後席はゆったり。レクサスLMに用意される「リアコンフォートモード」(後席の乗り心地や快適性を優先した足回り制御)も用意されるという
5名乗りで、後席はゆったり。レクサスLMに用意される「リアコンフォートモード」(後席の乗り心地や快適性を優先した足回り制御)も用意されるという

 今後、アコード、クラウンセダンの復活で、セダンが見直され、販売が上向くことを望む。実際、廃盤となったプレミオの中古車価格も300万円近くまで高騰している。

 SUVが出尽くした感のある今、セダンが見直される日はそう遠くないはず。そうなったらカムリも国内再販売されるかもしれない。

【画像ギャラリー】名門カムリ43年10代の歴史を写真で振り返る! Cambackカムリ!(14枚)画像ギャラリー

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