こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 癒しデザインの先駆車となったフィガロは今も人気沸騰中!

■「優雅さ」を求めるユーザーの支持を獲得

 納期の短縮や明確化を図るため、フィガロは2万台限定販売とされていたが、東京モーターショーで好評だったうえに、発売時には恋愛至上主義を謳った「東京ヌーベルバーグ」のコンセプトや、短編オムニバス映画「フィガロストーリー」の制作・公開といった異例のマーケティング活動が功を奏し、第1回目の予約申し込みでは8000台の予約枠に対して21万1814件、2回目には、6000台の枠に13万127件の申し込みがあったという。

 価格は182万円というフィガロよりも上級に位置付けられるクルマと同等の価格設定だったにもかかわらず、購入者が殺到した背景には、後の価格上昇に期待したユーザーが存在していたことも影響していると思われるが、多くのユーザーがちょっとしたお洒落や優雅な気分を気楽に楽しめるクルマを求めたことが好調な販売に繋がったと言える。

デザイン性を優先したように見えるが、ボディ各部を効果的に補強することで高いボディ剛性を確保。高防錆鋼板を主要部位に採用するなど防錆性能の向上も図っていた
デザイン性を優先したように見えるが、ボディ各部を効果的に補強することで高いボディ剛性を確保。高防錆鋼板を主要部位に採用するなど防錆性能の向上も図っていた

 利便性や効率を重視する現代のクルマ選びとは異なり、当時は精神的なゆとりが求められる時代だったことが、フィガロのようなクルマの存在を歓迎し、それが大ヒットをもたらしたと言っていい。

 ただしこういった観点は今の時代には則さない。もしリバイバルされたとしても、1990年代当時のような大反響をもたらすとは思えないが、クルマを趣味とかお遊びと割り切って選べる大らかさがあってもいいはずだ。パイクカ一の本質的な魅力は、そういったところにあるはずだから。

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