■個性の強さが走りにも特徴として表れていた
インテリアデザインは、外観ほどではないにしても高級感があって若干スポーティ。マークIIと比べてモダンで若々しく、当時のトヨタのスポーティセダン仲間であるアルテッツァに通じる部分もあった。
そして、なにより同時代、少なかったミドルサイズのスポーティセダンということで、その狙いは走りの良さにも表現されていた。パワーユニットは、2.0L、2.5L直噴、2.5Lターボという三種類の直列6気筒エンジンがラインナップされた。これはマークIIと同様だが、2.5Lターボエンジンは280馬力を発揮し、車種の狙いに相応しい、パワフルでスポーティなものだった。
このパワーユニットに負けないのが車体で、アリストやクラウン用のプラットフォームが採用されており、剛性が高く、セダンボディでありながら操作性も優秀。マークII3兄弟の系譜を受け継ぐモデルということで、下手なスポーツクーペであれば勝れる程度の走行安定性や高いコーナリング性能を備えていた。
またマークII同様に、4WDや5速MTモデルまでしっかり設定されており、グレード数も豊富。このあたりは、ミドルサイズサルーンというジャンルの特性上、販売には有利に働く要素である。デザインや走りの部分での“冒険”したことに対して、販売の軸となる部分はしっかりブレていないところは、さすがトヨタである。
コメント
コメントの使い方この車が販売されていた当時のテレビCMを覚えていますが、キャッチフレーズが「彫りの深いヤツ!」でした…。「それだけかよっ!」とテレビに向かってツッコミを入れていたことを思い出しいます。
おそらく世界でもっとも美しいセダンのひとつに数えていいでしょう。トヨタのデザインチームの出した答えに当時の日本人はついてこれなかったし、たぶん今でも無理でしょう。トヨタは世界一の自動車メーカーとして愚かな消費者たちをもっと教育・啓蒙していく義務があると思います。そうすることで日本のクルマ文化はより成熟していくはずですから。
ヴェロッサ、アムラックス(懐かしい!)に見に行きました。
え、これナニ?アルファロメオのトヨタ版?ええ~?!って感じで、直線基調で精悍なイメージだったチェイサーの後釜と言われてもピンとは来ませんでした。
後で、販売が苦戦していると聞いて、さもありなんと思いました。
バブル期に単独で発売されていたら、あるいはヒット作になったかもしれませんね。