こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 日産が狙った2匹目のドジョウ「パオ」は1匹目を超える大ヒット!!

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■アドベンチャー感覚のスタイルが冒険心に火をつける

 パイクカーといえば、個性的なスタイルがセールスポイントのひとつだが、PAOも多分に漏れず、外観は“いつもと違う気分を感じさせるアドベンチャー感覚溢れる”ことを目指したものとなっている。

 やわらかな曲面基調のフォルムをベースに、ヒンジやビスといった金具類やボディ外板補強のためにあしらったリブを意識的に露出させることで、狙いのひとつであるアドベンチャー感覚を表現した。

 外観各部のパーツは成形の自由度やコスト面を考慮して樹脂パネルを採用した。「Flex Panel(フレックスパネル)」と呼ばれる樹脂パネルは、ポリアミド変性PPOアロイ樹脂と呼ばれ、鋼板に比べて成形の自由度が高くて軽量。

 耐熱性に優れているため塗装品質の向上が図れるうえに、衝突時には形状が復元するといった特徴を持つ。表面には耐候性、澄水性に秀でたフッ素樹脂塗装を採用したことも、品質の高さをもたらす要因となった。

 ディテールについても徹頭徹尾、個性を追求している。開閉式の三角窓、上下2分割式リアサイドウインドウは自然の風を受けて走る爽快なイメージを演出。

 ルーフ上に設けられたファッションレール、鉄パイプ製バンパーや上下3連式のシンプルな丸型リアコンビネーションランプ、上下2分割式リアゲートといったアイテムは、遠目から見てもPAOとわかるオリジナリティを創出するとともに、遊び心を感じさせてくれた。

運転席まわりはボディ同色の鉄板で構成される。各種機能のスイッチも懐古調となっており、なんとオーディオユニットは取り外しが可能だ
運転席まわりはボディ同色の鉄板で構成される。各種機能のスイッチも懐古調となっており、なんとオーディオユニットは取り外しが可能だ

 アドベンチャー感覚は車内にも表現されており、鉄板剥き出しのインストメントパネル、さっぱりとした肌触りが心地いい、麻感覚のシートクロスを採用。

 ステアリングとシフトノブは象牙をイメージさせるアイボリー色とし、これがレトロで洒落た雰囲気の演出にひと役買っている。内外装ともにデザインの凝りようはBe-1を凌ぐものと言える。

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