三菱/ギャラン&レグナム「革新的だったGDI」
三菱にはエンジンの名作が多い。世界最小のV型6気筒エンジンを生み出したし、軽自動車にはDOHC5バルブエンジンを積んでいる。
が、最も強烈な印象を残したのは、ギャランとレグナムに搭載されて1996年に登場した直列4気筒DOHC筒内直接噴射エンジン「4G93型」だ。通称『GDI』エンジンである。
燃焼室に直接ガソリンを噴射し、空燃比35〜40という超希薄な混合気でも安定した燃焼を可能にした。
電磁式のスワールインジェクターは、50気圧もの高圧で燃料を噴射し、クリーンな排ガスと優れた燃費を実現している。今につながるクリーンエンジンの先駆けとなった。
次点はランサーエボリューションシリーズに搭載された1997㏄の直列4気筒DOHC「4G63型」だ。メカは平凡だがターボによってクラストップレベルのパフォーマンスを実現している。【片岡英明】
マツダ/ユーノスコスモ「唯一無二の3ローター」
マツダのブランドヘリテイジといえばロータリーエンジン。その最高峰がユーノスコスモに搭載された3ローター「20B-REW型」。これがベストでしょう。
分割エキセントリックシャフトという技術的なハードルを乗り越えて量産化したこの3ローターは、抜群にスムーズな回転フィールとシーケンシャルツインターボによる強烈なトルクが印象的。
当時「スムーズさではV型12気筒エンジンに匹敵する」と言われていたが、それはけっして誇張ではなかったといえる。
次点はユーノス800の「KJ-ZEM」型。今では珍しくなくなったミラーサイクル(高膨張比サイクル)を世界で初めて量産化した。
遅閉じバルブタイミングによる吸気不足を補うためV6のバンク間にリショルムコンプレッサーを装備。燃費は狙ったほどよくなかったが回転フィールとトルク特性は抜群。スムーズで上質感のあるエンジンだった。【鈴木直也】
スバル/WRX STI「誰もが認める名機」
スバルの名機といえば、やはりWRX STIに搭載されている「EJ20型」水平対向4気筒DOHCターボだ。昭和の時代に設計されたエンジンだが、モータースポーツの世界で徹底的に鍛えられ、今も現役だ。
ビッグボア設計のオーバースクエアエンジンで、高回転の鋭い伸びとパンチ力は最新設計のエンジンを凌ぐほど強烈。量産エンジンでありながら8000回転まで使いきれ、エンジンサウンドも耳に心地よい。
次点は水平対向6気筒エンジンの秀作、排気量3318㏄の「EG33型」ボクサー6を推す。
EJ20型と同じセンタープラグ配置、ペントルーフ型燃焼室を採用し、こちらもビッグボア設計としてバルブ面積を大きく取った。
240ps/31.5kgmを発生し、ATでも6000回転までドラマチックに回る。水平対向エンジンは振動が少ないのが特徴。6気筒は静粛でも群を抜く。【片岡英明】
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