【RAV4、シビックら日本に復帰した4台の精鋭】何が人気の明暗を分けたのか


ホンダシビック

価格帯:265万320円
日本での販売をやめた時期:2010年
日本で販売を復活した時期:2017年9月
2019年1~6月販売台数:1151台
2019年月販平均販売台数:175台

 かつてのシビックは、今のホンダ車でいえば、フィットを少しスポーティにしたようなクルマだった。初心者ドライバーも含めて運転しやすく、居住性などの実用面も満足できて、価格は求めやすい。しかも外観がカッコ良く、走りも楽しめるから、当時のクルマ好きの憧れであった。

 ところが2000年に登場した7代目の国内仕様には3ドアハッチバックが用意されず、5ドアとセダンになる。2001年には空間効率の優れた価格の割安な初代フィットが登場してヒット作になったから(2002年は国内販売の総合1位)、シビックは売れ行きを下げた。

2017年に復活するまで8代目シビック(2005~2010年)が日本で販売された最後のシビックセダンだった。ハイブリッドもラインナップするが3ナンバー化で失敗

 この結果、2005年に登場した8代目の国内仕様は、3ナンバーサイズに拡大されたセダンのみになり、2010年に国内販売を終えた。

 その後、9代目は国内で売られず、2015年10月に10代目が登場する。これも当初は国内で販売されなかったが、2017年になって復活した。

 背景にはシビックセダンを日本国内の寄居工場で生産することになり、5ドアハッチバックとタイプRはイギリス製を輸入してラインナップを整えた。

 開発者は「諸般の事情により、シビックはやむを得ず国内販売を終えた。ただし国内を諦めたわけではなく、復活の機会を狙っていた。そしてこの度(2017年に)、復活できた」とコメントしている。

 ただし現行シビックの発売時期は、N-BOXのフルモデルチェンジ、フィットの大幅なマイナーチェンジ、ステップワゴンのハイブリッド追加と重なった。そのためにシビックは、多忙をきわめた販売現場で完全に埋もれてしまった。

 発売時期をこれらの売れ筋車種から離し(改良などが何も行われない時期のほうがずっと長い)、なおかつメーカーが販売店を支援して、中高年齢層の心に響くシビックのイベントを行うべきだった。

八郷社長の肝いりと言われたシビックセダン。ここまでボディサイズが大きくなると伝統のあるシビックという車名ではあるが別物といっていいレベル

 また基幹車種を廃止して復活させる以上、明確なストーリーや経緯の説明が大切になるが、それもまったく行われなかった。つまり大切に扱うべき車種を粗雑に復活させただけだ。この点を開発者に尋ねると「ウチはそういうところが下手なもので……」との返答だった。

 シビックは2019年1~6月の累計で1151台と低迷。それでもホンダは一度日本を見捨てたシビックを購入してくれているユーザーに感謝すべきだ。

ホンダCR-V

価格帯:323万280~436万1040円
日本での販売をやめた時期:2016年
日本で販売を復活した時期:2018年8月
2019年1~6月販売台数:9590台
2019年月販平均販売台数:1598台

 1995年に発売された初代CR-Vは、視界が優れ、車内の広いシティ派SUVで好調に売れた。しかし2代目以降はフルモデルチェンジの度にボディを拡大して、3代目は全幅が1800mmを超えた。4代目は個性が乏しいこともあり、売れ行きが落ち込んで2016年に国内販売を終えた。

 それが2018年に復活している。ボディは従来と同じく大柄だが、エンジンは1.5Lターボと2Lのハイブリッドで、ターボには3列シート仕様も用意する。開発者は復活の理由を以下のように述べた。

1995年にデビューした初代CR-Vはシンプルでボクシーなエクステリアが受け大ヒット。RAV4とともに老若男女から支持された

「ヴェゼルが(2013年の末に)登場して好調に売れ、CR-Vは国内販売を終えた。しかし昨今はSUVがブームになり、オデッセイやアコードからSUVへの乗り替えを希望するお客様も増えた。その時にヴェゼルではボディが小さいから、人気の高い7人乗りやハイブリッドも含めてCR-Vを復活させた」という。

 RAV4からCR-Vまで、一度日本を見捨てながら戻ってきたのだから、今後はさらに改良と販売に力を入れてほしい。仮にもう一度、国内販売を終えたとすれば、復活は永久に望めない。

2代目以降モデルを経るたびに大型化されてきたCR-V。現行モデルは走りの質感が高く高級感もあるためそれが販売の好調につながっている