【RAV4、シビックら日本に復帰した4台の精鋭】何が人気の明暗を分けたのか

【RAV4、シビックら日本に復帰した4台の精鋭】何が人気の明暗を分けたのか

 売れないクルマは淘汰される。今ではビッグネームでさえ例外でなく、2019年に入ってからだけでも三菱パジェロ、トヨタマークXが消滅することが発表されている。

 自動車メーカーも日本専売モデルを極力少なくしグローバル化を推進している。日本では売れないがほかの地域では売れているモデルもあり、そんなモデルは日本マーケットから撤退、というのは当たり前になってきている。

 本企画では日本で販売不振を理由に販売を取りやめながら再び日本で販売を開始したモデルについて渡辺陽一郎氏が考察する。

文:渡辺陽一郎/写真:TOYOTA、HONDA


トヨタRAV4

価格帯:260万8200~381万7800円
日本での販売をやめた時期:2016年
日本で販売を復活した時期:2019年4月
2019年4~6月販売台数:1万7775台
2019年月販平均販売台数:5325台

 RAV4の初代モデルは、1994年に5ナンバーサイズのコンパクトSUVとして発売された。当時は前輪駆動をベースにしたシティ派SUVは珍しく、初代RAV4は軽快な3ドアボディが若年層を含めて幅広い人達から注目された。一躍ヒット車になっている。

 ところが2代目以降はフルモデルチェンジの度にボディを拡大させ、売れ行きを下げた。2013年に発売された4代目は、国内では売られない海外専用車になっている。

初代RAV4は1994年にデビュー。スターレットをベースにSUV化してシティオフローダーとして大ヒット。特にスポーティな3ドアは新世代のクーペ感覚が受けた

 ちなみに当時はRAV4と同じプラットフォームを使ってホイールベース(前輪と後輪の間隔)を伸ばし、後席の足元空間を広げたヴァンガードが販売されていた。

 2013年には、レクサスRXの姉妹車ではない国内向けの3代目(現行)ハリアーも登場している。そのためにRAV4は不要だと判断され、4代目は国内に投入されなかった。

 ところが2019年4月になると、5代目RAV4が国内販売を再開した。海外専用車から国内向けに変わったわけではない。全幅は1855mmだから相変わらずワイドで、外観も日本向けとはいえないデザインだ。

 RAV4が国内販売を再開した理由を開発者に尋ねると「SUVが国内でも好調に売れているため」との返答だった。今ではヴァンガードが廃止され、前輪駆動をベースにしたトヨタブランドのシティ派SUVは、C-HRとハリアーのみになっていた。そこでRAV4を加えた。

日本で販売を再開した現行RAV4は本格的なオフロード走行をこなす実力派。実は歴代RAV4とも4WDシステムにこだわり、玄人からの評価も高い

 RAV4の全長はC-HRとハリアーの中間だが、クルマの性格は違う。C-HRとハリアーは典型的なシティ派SUVだが、RAV4のラインナップは4WD仕様が中心だ。

 特に4WDの2Lエンジン搭載車には、後輪左右の駆動力配分を積極的に変化させるダイナミックトルクベクタリングAWDも用意され、後輪駆動ベースの4WDを搭載するランドクルーザーや同プラドほどではないが、雪道や未舗装路に強い。

 RAV4の商品特徴は、野性味が伴ってエクストレイルにも似ており、販売も好調だ。2019年6月には7822台を登録した。

 その代わり、C-HRの登録台数は、前年の6月に比べて36.3%減った。ハリアーも13.8%減少している。RAV4が増えたぶんだけほかのSUVが下がったわけだが、トヨタの前輪駆動をベースにしたSUVの合計台数は、2018年6月が1万482台、2019年6月は1万5319台に増えた。

 結論をいえば、RAV4の復活は成功といえるだろう。


RAV4はC-HRよりもボディサイズも大きくキャラクターも被らないが、トヨタで一番の人気SUVのC-HRはRAV4の登場により販売に影響が出ているのは事実

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