画一的だった日本車のナンバープレートがここ数年、いろいろ新しいタイプが出てきている。種類が増えたのはご当地ナンバーがものすごい勢いで増殖していることにあるが、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの図柄入り特別仕様ナンバーも登場。
2018年からは常時取得することができる地方版図柄入りナンバーも登場していて、無個性だったナンバープレートに個性が与えられている。
そんななか2018年1月からアルファベット入りのナンバープレートが取得できるようになったという。どういうシステムになっているのかを解説。
文:永田恵一/写真:国土交通省、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部
分類番号に異変あり
アルファベットの入ったナンバープレートを見て、何か特別なナンバー? と気になっている人も多いかもしれない。
ナンバープレートには登録された運輸支局などを表す文字、自動車の種別を表す分類番号、ひらがな、『・・・1』から『99-99』までの一連指定番号で構成されている。
ひらがなは『お』、『し』、『へ』、『ん』、一連指定番号は末尾が『42(死に)』、『49(死苦)』などの縁起が悪いと思われる数字は欠番となっている(希望ナンバーなら取得可能)。
分類番号は3ケタのアラビア数字と規定されていたが、2018年1月から末尾2ケタにアルファベットを導入すると改正された。
なぜアルファベットを導入するのか?
それは、自分の好きなナンバーが取得できる希望ナンバー制により、人気が集中している数字のナンバーを使い果たしてしまい、新たなナンバーを発行できなくなったから。
希望ナンバーは一連指定番号を自由に選べ、一般希望番号と抽選対象希望番号の2種類がある。抽選対象希望番号は1、7、8、88、333、555、777、888、1111、2020、3333、5555、7777、8888が全国共通で、支局ごとに独自の数字が追加されている。
ナンバープレートは電話番号などと違い、一度使用したものを再使用することはないため、希望ナンバーによる人気数字が払底することに対しアルファベットで対策したのだ。
アルファベットの導入で数字の払底問題を解消
数字の払底問題に対し、現在のひらがな部分にアルファベットやカタカナを加える、一連指定番号を4ケタから5ケタに増やすなどの対策案が検討されてきたという。
現在Nシステムをはじめ、カメラによりナンバープレートを読み込んで車両を認識するシステムが増えていることもあり、大掛かりな変更はコストもかかるし混乱も大きいということで、最も既存のシステムへの影響が少ない分類番号へのアルファベットの導入が採択されたといいうわけだ。
数字の払底問題が起こるたびに分類番号は1ケタ→2ケタ→3ケタと増やされてきた歴史があるように最も手軽な手法と言える。
ナンバープレートは視認性が重要なので、数字と誤認しやすいB(8)、I(1)などのアルファベットを除外し、最終的にA、C、F、H、K、L、M、P、X、Yの10文字が使用される。
3ナンバー車の場合は30Aから始まり、30B………、30Yという形で昇順で使用し、2ケタ目の数字が払底したら3A0、3A1……となり、最終的には3YYまで続く。
同じ富士山ナンバーを例外的に使用する静岡県、山梨県をはじめアルファベットの使い方が特殊な場所や使用されないものなどもあるが、基本的な考え方はこのとおり。
導入されて1年強だが、すでに30Fを見たという目撃情報もあり、抽選ナンバー人気の高さがうかがえ、今後も加速度的に進行していくと思われる。
国交省によると、分類番号にアルファベットが入ったナンバーで初めて交付されたのは練馬ナンバーで、2番目が横浜だったという。
目撃情報などをまとめると現在では品川、名古屋、岐阜、大阪、神戸、岡山、福岡などの地域でもアルファベット入りナンバープレートが発行されている。編集部では多摩ナンバーの目撃情報もあり続々と増えている。
希望ナンバーで好きなナンバーが取得できるのは一連指定番号のみで、分類番号は選ぶことができない。アルファベット導入後もこの点は変わらない(2019年8月現在)。また、アルファベットが使われるのは数字が払底した場合のみとなっている。
どうしてもアルファベット入りナンバーが欲しい、という場合は、自分の希望するナンバーが払底しているのかを確認する必要がある。
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