■この立地でこの価格 溶き卵にひと工夫が深い香りを生む秘訣『卯作』@新宿
「かつカレー」800円を筆頭に、昼のメニューは開業以来31年間、値上げせず(!)で、しかも使用するのは甘み豊かな山形豚。そんな新宿の良心がアルタのすぐ裏手という好立地に潜んでいた。もちろん味も太鼓判。
「目指すのは力強い香ばしさがありつつも、胃もたれしないとんかつ」と語るのは店主の清水さん。ラードを思わせる食欲をそそる香りが膨らみながらも、小気味いい食感の衣はどこまでもライト。その秘訣とは?「衣付けに使う卵を水ではなく高脂肪の牛乳で溶くこと」。
そうして香りに深みを持たせつつ、揚げ油はコーン油をチョイスして軽やかさも生んでいる。来てくれたお客みんなに喜んでもらいたい、そんな誠実な想いがしみじみ伝わるとんかつだ。
[住所]東京都新宿区新宿3-21-1 清水館3階
[電話]03-5269-8849
[営業時間]11時半~15時LO(売り切れ次第終了)、17時半~21時半(20時50分LO)
[休日]月・火
[交通]地下鉄丸ノ内線ほか新宿駅B12b出口から徒歩1分
■衣の中に潜むのはじっくり煮込んだとろふわ豚肉『どん平』@宮ノ前
サクッと揚がった衣の中から現れるのは、とろりと柔らかな豚バラ肉。酒や醤油で6~7時間かけて煮込み、ひと晩寝かせたそれは余分な脂が抜け落ちて、あっさり軽やかな仕上がりだ。
しかもソースでなく自家製のデミグラスで食すのも唯一無二だろう。さらに卓上の中濃ソースも合わせれば、ほのかな酸味が加わってキリッと引き締まった味わいに。
これを生んだのが先代のおやじさん。妹の嫁ぎ先が「浅草むぎとろ」だった縁もあり、とろろ汁付きのセットも定番だ。
さらにもうひとつのオリジナルが「炎の酒鍋」。日本酒を張った鍋に火を付けファイヤー!煮切った酒で豚しゃぶを楽しんでから、次はダシを注いで寄せ鍋に。とんかつと鍋、昭和から受け継いだ独自の味は今も健在だ。
[住所]東京都荒川区西尾久2-2-5
[電話]03-3893-8982
[営業時間]11時~13時半LO(売り切れ次第終了)、17時半~21時
[休日]日・祝
[交通]東京さくらトラム宮ノ前駅から徒歩2分
『おとなの週末』/2024年3月号より転載
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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