■“クロスオーバーとはこういうもの”を随所に実感
背の高いモデルが揃うミニバンクラスではいま一歩だった荷室の広さや使い勝手も、SUVとして見ればクラストップレベルの実力と言える。スペース効率に優れるダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションの採用によってホイールハウスの張り出しが抑えられ、荷室幅、荷室高ともに十分なスペースが確保されている。
また、大開口のリアゲートや張り出しを抑えたトリム形状など、スバルらしいワゴン作りのノウハウが生かされていることも優れたユーティリティ性能の実現に貢献。用途に合わせてフレキシブルなシートアレンジが可能なのも“元ミニバン”ならではの特徴であり、他のSUVにはない独自の付加価値と言っていい。
最低地上高アップはSUV化にあたってお約束とも言えるが、クロスオーバー7では専用サスペンションの採用によって170mmを確保した。フォレスターのような純SUVと比べると物足りなく感じるが、市街地走行を主体とする都市型SUVとしては十分なクリアランスと言えるし、たとえ地上高が170mmだとしても一般的な乗用車よりはクリアランスが確保されており、なおかつ駆動方式は4WDであるから悪路に遭遇したときには頼もしく感じるはずだ。
あくまで「都市型」なので、一般的なSUVのようにハードな悪路に乗り入れることはできないが、重心が低く抑えられるのでSUVにありがちな腰高感は皆無で、操縦安定性が良好なうえに、しなやかな乗り心地が味わえるのは利点と言える。
アイサイトはバージョン2だが、当時としては「ぶつからない」ためには画期的な安全装備だった。事故の被害を軽減するための予防安全機能と、スバル独自の環状力骨構造を採り入れた多人数乗り車専用ボディの効果もあり、安心感に包み込まれた快適な走りと高度な安全性を実現していた。
今どきのSUVクラスには3列シートを備えた多人数乗りが少数ながら用意されている。しかし、いずれも3列目はエマージェンシーシートで、シートの作りや足もとや頭上のスペースなど、乗員の心地よさに配慮しているとは言い難い。
その点では、元ミニバンとして気持ちのいい爽快な走りと優れた居住性と開放感ある室内空間を高い次元でバランスさせることにこだわって開発されたエクシーガをベースにしたクロスオーバー7には、一日の長ありと言えるだろう。元ミニバンゆえにSUVらしさが希薄に感じるかもしれないが、クロスオーバーSUVとは本来こういうモノであることは存分に実感できるはずだ。
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コメント
コメントの使い方スライドドアがほしかったのでMPVを買いましたが、当時4代目レガシィワゴンベースのアウトバックをストレッチして三列目補助席をつけていていたら、スライドドアを諦めて買い替えていたかも、、
エクシーガ内装は、レガシィ三代目四代目とはちょっと趣が違った。
エクシーガに乗っていたものですが、この記事はなぜ売れなかったのかについてはふれていませんね。売れなかったのは、車名変更の理由がエクシーガユーザーに伝わらなかったこと、宣伝が低調だったこと、デザインに進歩が無かったこと、燃費が悪いことなどでしょうね。車名変更は正直不愉快でしたね。(^_^;)
珍車ではなくね?ステーションワゴンを7人乗りにして、見た目をSUV風にしただけ。
ハイルーフミニバンのダサさと、SUV の狭さを避けたい人向け
オデッセイが席巻してた時代ですよね
車も、各社しのぎを削る活況の中でこそ名車が生まれる
今、はフリードが先鞭付けたかな
お手本のような造りで、私も良い車だったと思います。トヨタはヴァンガードでこういう車を作りたかったが、時代や制約が間に合わなかったと言われてましたね。
売れなかった原因は、スバル車の中では走りに振ってないごく普通の足と運動性能なこと、当時は室内広いミニバン全盛なせいで
SUVの中では後ろまで広く快適、という特徴が評価対象にならなかったこと、燃費だけはスバルらしさ全開だったこと等でした