手軽さが魅力のGRスポーツ
GRの下に位置するのがGRスポーツで、ボディとシャシーの強化のほか、専用のエアロパーツなどを装着してノーマルと差別化されている。
このGRスポーツの前身は2010年からトヨタが推進して拡大設定してきたG’sで、2017年にこのG’sがGRスポーツに切り替えられた。
トヨタでは『ライフスタイルに合わせて走りを楽しむエントリースポーツモデル』と表現しているとおり、いろいろな車種、パワートレーン、カテゴリーのモデルに設定されているのが特徴だ。
手軽と言ってもチューニングはしっかりとしていて、GRMN、GRほど本格的ではないがボディやシャシーの強化も施すことによってノーマルモデルと差別化。
GRスポーツはGRMN、GRのようにスポーツに特化するのではなく、あくまでも手軽に本格的なスポーツチューニングが楽しめる点に存在価値がある。
足回りのチューニングなどにより走りはノーマルよりも気持ちいいものに仕上げられているが、価格はモデルによって違うもののベースモデル+約20万~50万円程度に抑えられているので買い得感、満足感とも高い。
2019年9月現在では、86、プリウスPHV、アクア、プリウスα、マークX、ハリアー、ノア/ヴォクシー、ヴィッツの9車種に展開されている。
今後登場するモデルとしては、RAV4、カローラスポーツ、カローラツーリングといったTNGAを採用した新世代のモデルとなる。Gazoo Racingがどのようなチューニングを施してくるか楽しみ。
人気のSUV系では、一躍人気SUVに躍り出たRAV4にもGRスポーツが設定されるという情報が入ってきている。ノーマルでもSUVとして走りの評価が高いRAV4をどのような味付けにするのか期待したい。
あと、トヨタ車以外で初めてGRスポーツが設定されるダイハツコペンGRスポーツにも注目したい。コペンのチューニングモデルは現在も人気だから、販売のテコ入れには最適だろう。
このGRスポーツの下、ピラミッドの一番下に位置するのがGRパーツだ。これは完成車ではなく、自分の好きなパーツを選んでドレスアップ、チューニングすることができる。パーツに関してはTRDが製作しているので安心感が高い。
GRスポーツでもちょっと敷居が高いが、ドレスアップ、チューニングしたい、という人には最適だ。
まとめ
Gazoo Racingのヒエラルキーからもわかるとおり、スポーツモデルに関心を持っている人から本格的なものまですべてを幅広くカバーしている。
これはワークスからグラスルーツまで幅広くモータースポーツ活動をするのと同じ姿勢で、スポーツチューニングの楽しさを伝播することが目的となっている。
頂点のGRMNに注目が行きがちだが、ライトなユーザーを取り込むためにもGRスポーツに最も力を入れていると言ってもいいかもしれない。
そしてGRMN、GRでのチューニングがマイチェンモデルや次期型にフィードバックされ、トヨタのスポーツモデルの底上げに貢献している。
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