実際にシミュレートすると……
【新車購入の場合】
課税標準基準額(税抜き価格)+負荷物の価額=取得価額(1000円未満切り捨て)
取得価額×環境性能割の税率=環境性能割の税額
税額は上記のような計算式で算出される。課税標準基準額は車種、グレードによって決まっていて、車両価格から値引き相当ぶんなどを差し引いた車両価格の90%が目安となる。
負荷物とはカーナビやオーディオなどのオプション品のこと。
例えば人気ミニバンの日産セレナを購入した場合をシミュレートしてみる。
■日産セレナe-POWER X(税抜き価格:272万5000円)
環境性能は★★★★かつ2020年度燃費基準+50%ということで、★★★★かつ2020年燃費基準+20%の基準を満たしているので非課税。つまり環境性能割は0円。
■日産セレナXV(税抜き価格:248万8000円)
環境性能は★★★★かつ2020年度燃費基準達成だから、環境性能割の税率は本来2.0%だが、2020年9月30日までは臨時的軽減があるので1.0%となる。
課税標準基準額は1000円未満切り捨てで223万9000円となり、何もオプションを装着しなければ環境性能割の税額は2万2390円となる。仮に税抜き30万円ぶんのオプションを装着したとすれば2万5390円となる。
環境性能により優遇が大きく違った自動車取得税とまったく同じで、ハイブリッドとガソリンモデルをラインナップしているクルマなどでは、購入するパワートレーンによって環境性能割も変わってくる。
ちょっと飛躍して、環境性能で劣り超高額国産車の日産GT-Rでもシミュレートしてみたが、環境性能割はとんでもなく高額になってしまう。
【中古車購入の場合】
課税標準基準額(税抜き価格)×残価率=取得価額(1000円未満切り捨て)
取得価額×環境性能割の税率=環境性能割の税額
新車の場合と違うのは、中古車は残価率が影響してくることだ。残価率は半年刻みで決められていて、1年経過時が0.681で6年経過で0.100となる。
例えば課税標準基準額が200万円の1年落ち中古車を購入した場合、300×0.681で取得価格は204万3000円で、それにそのクルマの環境性能割の税率をかけたものが税額となる。取得価格が50万円以下の場合は対象外となる。
自動車取得税が撤廃されたが、結局はほとんど同じ環境性能割が新税として登場。クルマは財源として重宝されている証拠としか言えない。
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