【最短はわずか1年1カ月!!】アッという間に消えた短命グルマ5選

三菱プラウディア/ディグニティ(初代モデル)

販売期間:2000年2月~2001年3月

セルシオ、シーマに匹敵する大型サルーンで、3.5L、V6と4.5L、V8のGDIエンジンを搭載。FFのハンドリングは高級車として不評だった
プラウディアのホイールベースを延長したリムジン仕様がディグニティ。グリル、センターピラーほか重厚感は半端ないが、累計で100台も売れていない

 日本車史上で最も短命に終わったクルマの1台が三菱プラウディア/ディグニティだ。その販売期間は1年1カ月と超短命だ。

 韓国の自動車メーカーのヒュンダイと共同開発した大型セダンで、当時のライバルはトヨタセルシオ、日産シーマだった。

 エンジンは当時三菱が推進していたGDIで、3.5L、V6と4.5L、V8という超豪華ラインナップを誇った。

 このプラウディアのホイールベースを250mm延長したリムジン使用がディグニティだ。こちらのライバルはトヨタセンチュリー、日産プレジデントだった。

FFだから足元にトンネルがないし、ホイールベースの延長分の250mmをスペース拡大に使っているのでディグニティのリアは超絶に広い

 特にディグニティは三菱グループ御用達のハイヤーとしての需要がほとんどという状態。駆動方式がFFだったため、プラウディア、ディグニティとも後席の広さは充分だったが、高級車としてのハンドリングは不評だった。

 姉妹車のヒュンダイエクウスが韓国で好調に売れて10年にわたり販売されたのとは対照的な結果に終わってしまった。

スバルインプレッサリトナ

販売期間:1995年1月~1996年9月

クーペとしては少々アンバランスで伸びやかさに欠けたリトナ。4ドアセダン、ワゴンと比べてユーティリティ面で劣ったため販売面で苦戦

 スバルは1995年1月に北米専用として販売していたインプレッサの2ドアクーペをリトナとして販売を開始。日産ルキノクーペ、サイノスなどの小さなクーペが堅調に売れていたことに影響されたかたちだ。

 しかしセダン、ワゴンに続くモデルとして期待されたが、ライバルとは裏腹に販売面で大苦戦。その結果、わずか1年5カ月という短命に終わった。

 実際にリトナはクーペとしてはズングリしていてカッコいいとは言えないし、セダン、ワゴンよりリアの乗降性も悪ければ苦戦も必至。

リトナは大きな意味で22Bの源流ともいえる。北米専用のクーペをリトナとして販売していなかったら存在しなかったかもしれない

 しかし、リトナ自体は売れなかったが、リトナをベースとした2ドアのインプレッサWRX STIは見違えるようにカッコよく大人気となったし、WRカー2ドアベースとなった。

 さらにさらに、幻の名車と誉れ高いインプレッサ22Bの源流と言ってもいいリトナは隠れた名車と呼びたい。

日産マーチBOX

販売期間:1999年11月~2001年4月

2代目マーチの5ドアをベースにホイールベースは変更せず、リアのオーバーハング部分を260mm延長してステーションワゴンとしたのがマーチBOX

 2代目マーチをベースにリアを延長してステーションワゴンに仕上げたのがマーチBOXだ。全長3980mm×全幅1585×全高1430mmのボディサイズは、ベースとなった5ドアに対し全長で+260mm、全高で+25mmとなっていた。ホイールベースは5ドアと同じで、リアのオーバーハングが伸ばされていた。

 当時としても日本で最も小さいステーションワゴンとして存在感はあったし、マーチ5ドアに比べてラゲッジの容量、使い勝手とも向上していた。

 しかしたいした需要はなく、マーチのフルモデルチェンジの約1年前に1年5カ月という短命で終わってしまった。

2代目に設定されていたマーチカブリオレはマーチBOX同様に少量生産のスペシャリストである高田工業に生産が委託されていた

 最大の要因は車両価格で、当時1.3Lモデルで約140万円というひとクラス上のステーションワゴンのウイングロードとほぼ同じでは苦戦しても仕方なかった。

 マーチBOXはBe-1をはじめとするパイクカー、マーチカブリオレなどを手掛けた高田工業で委託生産されていたことからも、日産としては短期間と割り切っていたのかもしれない。

 販売面では失敗だったかもしれないが、このような遊び心が現在の日産に欠けている点ではないだろうか。

【画像ギャラリー】クロノスファミリーの全車名を当てたら超クルマ通!!

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