全日本ラリーの第1戦三河湾ラリーに参戦したミライースGR SPORTがそのポテンシャルを見せた。同じターボエンジン&5MTを搭載する国沢ミライースターボも激走し、2台で開発を加速させていく。勝田貴元選手も大きな期待を寄せるミライースGR SPORTは市販へと一歩一歩近づいているぞ!
文・写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】WRCドライバー勝田貴元選手も太鼓判!! 爆速[ミライースGR SPORT]の今後に期待しかないって!!(7枚)画像ギャラリー勝田貴元選手が「ボクも欲しくなりそう!」と激賞
三河湾ラリーではWRCスウェーデンで2位表彰台に立った勝田貴元選手のデモランや同乗走行が行われ、大人気だった。その勝田選手がダイハツのサービスを訪ねてきてくれた。
ミライースGR SPORTに乗る相原選手の説明から「ダイハツももっといいクルマづくりを始めました。価格を抑えたスポーツモデルとしてミラをベースにいろいろチャレンジしていきたいです」という説明を聞くと、
「若い人たち向けにこんなクルマがあったらいいですね。モータースポーツのエントリーモデルとしてもとてもいいと思います。ボクも欲しくなりそう!」と激賞。
乗り込んでドライビングポジションを合わせ、視界がよく初心者でも安心して走れることを確認していた。
国沢親方のような180cmを超える大柄なドライバーも勝田選手のような小柄なドライバーもしっかりとした自分のポジションに調整できることは大きな魅力だ。もう少し開発が進んだら勝田選手にもぜひミライースGR SPORTに乗ってほしい。
下りのSSは120㎞/h超で駆け抜けるミライースGR SPORT
ミライースGR SPORTの魅力は何と言っても700kg台前半という車重の軽さとターボエンジン。今回ミライースGR SPORTは旧世代のECUを使っているのに対し、国沢ミライースターボは最新のECUを装着。
660ccターボという小さなエンジンをどれだけ長く全開で走らせられるか? 熱によるパワーダウンをいかに回避するか? 2台でさまざまなテストをしている。
また、ミライースGR SPORTには専用のバンパーを装着し、フロントからリアまで空気の流れを制御、ダウンフォースと燃費の改良を狙っている。ノーマルバンパーの国沢ミライースターボとどのような差が出るのか、こちらもデータを取って開発を進めている。
ダイハツは燃費の改良にはエンジン側での伸びしろを磨くとともに、より大きな伸びしろがあるのは空力面と考えており、今後もさまざまなテストを行っていく予定だ。
さて1日目7本のSSがあり、相原泰祐選手の乗るミライースGR SPORTが国沢ミライースターボに5勝2敗としたが、相原選手はSS3でエンジンに制御が入りパワーダウン。大きくタイムを落したことが響き、トータルでは国沢親方が7.3秒差をつけリードした。
「ミライースGRスポーツのほうが、絶対速いに決まっている!」とさんざん騒いでいた国沢親方もこの結果には文句もなし。
「10kmくらいある三河湾スカイラインのSSでの下りが速い! ほぼ全開ながらボディもサスペンションもしっかりしていて、ラリー車として充分だ」とコメント。
一方の相原選手も「下りは全開で攻めました。4速でコーナリングするようなところもあり、ヨコGもタテGも凄いことになっていました。その限界領域ではリアの接地感に課題があることがわかってきました」と語り、公道を走るラリーでは、テストコースでは出てこないいろいろな課題があぶりだされてくることを教えてくれた
2台は2日目もお互い競い合いながら7つのSSを重ね、国沢親方が4勝3敗と勝利。ただし、2日間トータルでは相原ミライースGR SPORT の8勝6敗でトータルタイムでも8秒2リードし勝利した。
2台がお互いよきライバルとして走ることで開発のスピードは上がっていき、また新たな課題が見えてくるはずだ。
ミライースGR SPORT は現在FFの5MTでラリーに挑戦しているが、「4WDやCVTのラインナップがあってもいいのでは?」と水を向けると、まんざらでもなさそうだった。
今後も2台は全日本ラリーやラリーチャレンジに参戦し、開発を続けていくというから、続報を期待してほしい。
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コメント
コメントの使い方情報量が濃いうえに、ワクワクさせてくれる内容で、とても良い記事でした。
引き続き、こういったお話を聞かせて頂けるとラリー好きとして嬉しいです。
スバルを待っていたら思わぬ会社が本格参戦してきた感でしたが、思えばダイハツは昔、多くのラリーへ熱いエンジン&車作りをしていた会社。
その魂を引き継ぎ、あっという間に一線級を出してくる可能性、じゅうぶんありますね。