開幕から魅せた角田のプライドとローソンの自信喪失
3月14日、オーストラリアで幕を明けた2025年シーズン。角田は予選で5番グリッドを獲得し、見ているファンに驚きと衝撃を与えた。レッドブル初のレースとなったローソンはマシンの挙動に手を焼き、まさかの18番手。明暗を分けた。
迎えた決勝は目まぐるしく天候が変わる難しいコンディション。角田は堅実に戦い、終盤にはフェラーリのシャルル・ルクレールをオーバーテイク。最後に雨が降ったタイミングでの戦略ミスが響きノーポイントに終わったが、見せ場を作った。
予選で下位に沈んだローソンは決勝でも目立った活躍をできず、終盤にはクラッシュしてリタイア。フェルスタッペンが2位表彰台を獲得したことを考えると、非常に厳しい船出となった。
続く第2戦中国でも構図が変わることがなかった。角田が8位グリッドを獲得したスプリント予選で、ローソンは最下位の20番手。スプリント決勝で角田は6位に入り、2025年シーズン初のポイントを獲得した。
スプリント決勝後に行われた公式予選でも角田は9位に入ったが、ローソンはまたしても最下位。
決勝では再び戦略ミスに加えてマシントラブルが発生したことでノーポイントに終わるも終盤までポイント獲得圏内を走っていた角田に対して、ローソンはポジションアップを果たせなかった。
【画像ギャラリー】鈴鹿では生で拝める!!!!! 一足先にレッドブルのレーシングスーツを身に纏った角田裕毅を見て!!!!!(19枚)画像ギャラリー満開の桜とともに母国で花咲かせ!!
マクラーレンやフェラーリといったライバルたちが2台で戦えているのに対して、レッドブルはフェルスタッペンひとりで戦わなくてはならないため、戦略の幅が狭まってしまう。
ローソンに早くもしびれを切らしたレッドブルはローソンと角田をスワップする形で、今回の騒動に終止符を打ったのだ。
2025年はレッドブルと2019年から共に戦い、チャンピオンを獲得にも貢献したホンダとのラストイヤー。レッドブルのドライバーでありながら、ホンダ育成出身でもある角田にとっては、来年以降のプランが不透明な状況だ。
扱いにくく、かつ2023年のときのような輝きを失っているレッドブルへの移籍はリスキーといった声も上がっている。確かにその通りかもしれない。また、フェルスタッペンのチームメイトを務めるのは、今後のキャリアに響くことは間違いないだろう。
だからこそ、角田にとってはチャンスともいえる。もしフェルスタッペンと近いパフォーマンスを示すことができれば、来年以降の残留、もしくは角田に興味を示し、接近するトップチームが現れる可能性を高める材料となるからだ。
レッドブルRB21とは、初めまして状態で臨む角田の母国グランプリ。ぶっつけ本番。だが、トラックは彼自身が育った鈴鹿サーキットだ。
見せてくれ、F1昇格を決めたF2最終戦のような勇敢さを。今年のオーストラリアで多くの人を沸かせた衝撃のアタックラップを。そして、これまで多くのレースで見せてきた恐れのないオーバーテイクを。
角田らしい思い切りのいい走りを、悔いのないようにやり切ってほしい。桜が満開のなか見守る10万人の観客が、中継で観戦する日本中、いやいや世界中のファンがあなたに声援を送っている。
さぁ翼を授かり、羽ばたく準備は整った。まもなく日本グランプリ開幕のシグナルがグリーンへと点灯する。
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