プロ野球では昨年、広島東洋カープの25年ぶりとなる優勝が話題となった。長年優勝から遠ざかっていたカープだが、かつての黄金期では巨人、阪神に次ぐ優勝回数を誇る名門チームでもあった。
実はF1の世界でも2010年以降、レッドブル、メルセデスの黄金時代が続いていることもあり、名門ながら近年優勝から遠ざかっているチームは多いのだ。
文:編集部/写真:Mobilityland,Daimler,LAT,Renault
ベストカー2017年2月26日号
名門チームずらり。F1チーム通算優勝回数
2016年シーズン終了時点でのF1チーム通算優勝回数の上位はこちら。
セナ、プロストなどのチャンピオンを輩出し、現在はホンダとタッグを組むマクラーレンは、歴代2位の優勝回数を誇る名門チーム。
そして、ウィリアムズも同3位の名門だが、これだけ実績あるチームも、近年優勝から遠ざかっている。
マクラーレンの最終優勝はいつ?
マクラーレンが現時点で最後に優勝したのは、2012年の最終戦ブラジルGP。雨が混じる難しい状況のなか、ジェンソン・バトンが勝利をあげた。
しかし、当時エンジン供給を行っていたメルセデスが、自らのワークスチームに注力し始めたこともあり、マクラーレンは2013年以降4年連続で未勝利。2015年にエンジンをホンダへスイッチした後も勝利をあげられずにいる。
ちなみにマクラーレンにエンジンを供給するホンダの最終優勝は第3期時代、2006年のハンガリーGPまで遡る。奇遇なことに、この優勝もバトンによるものだ。
■マクラーレン
- 最終優勝:2012年Rd.20 ブラジルGP
- 初参戦:1966年/チャンピオン回数:8回/優勝回数:182勝/最終コンストラクターズチャンピオン:1998年/2016年シリーズランキング:6位
かつてホンダと組んだ名門ウィリアムズの最終優勝は?
そして、ウィリアムズの現時点での最終優勝も2012年のスペインGPまで遡る。その時の表彰台のもようが右上の写真。その優勝を成し遂げた男こそ、表彰台の頂点に立つパストール・マルドナドだ。
この優勝は彼にとって初優勝かつF1キャリア唯一の勝利となった。ウィリアムズの現時点での最終優勝は、さまざまな意味で“記憶に残る”優勝だった。
■ウィリアムズ
- 最終優勝:2012年Rd.5 スペインGP
- 初参戦:1975年/チャンピオン回数:9回/優勝回数:114勝/最終コンストラクターズチャンピオン:1997年/2016年シリーズランキング:5位
昨年ワークス復帰のルノーF1。前回撤退前の最終優勝は?
さらに優勝から遠ざかっているのがルノーF1。ルノーは2005、2006年にチャンピオンを獲得。その後、2010年をもってワークスチームは撤退し、2011年以降は、エンジンサプライヤーとしてのみF1に関わっていた。
しかし、2016年からふたたびワークスチームとしてF1に復帰。復帰初年度は、ランキング9位と苦しいシーズンを送った。
そんなルノーの最終優勝は2008年の日本GP。この優勝は通算2回チャンピオンのフェルナンド・アロンソによるものだった。
ルノーは現在、レッドブルにもエンジンを供給しているが、ワークスのルノーF1が優勝するためには、自らのエンジンを積む“強敵”を倒す必要がありそうだ。
■ルノー
- 最終優勝:2008年Rd.16日本GP
- 初参戦:1977年/チャンピオン回数:2回/優勝回数:35勝/最終コンストラクターズチャンピオン:2006年/2016年シリーズランキング:9位
アロンソにライコネン…元チャンピオンの最終優勝は?
現時点でルノーに最後の優勝をもたらしたアロンソだが、実は彼自身も優勝から遠ざかっている。
アロンソが最後に優勝したのは2013年スペインGP。フェラーリ在籍時にあげた勝利だ。
そして、そのアロンソに代わってフェラーリに加入した元F1チャンピオン、キミ・ライコネンも同じく2013年のオーストラリアGPで優勝して以降未勝利。フェリペ・マッサに次いで優勝から遠ざかっているドライバーとなっている。
- ■F.アロンソの最終優勝:2013年スペインGP(フェラーリ)
- ■K.ライコネンの最終優勝:2013年オーストラリアGP(ロータス・ルノー)
- ■F.マッサの最終優勝:2008年ブラジルGP(フェラーリ)
※マッサは、2017年シーズンのF1にエントリーするドライバーのなかで最も優勝から遠ざかっているドライバー

カープの“25年ぶり優勝”のように、久々の名門チーム&ベテランドライバーの優勝となればファンにとっては堪らない瞬間。次の久々の優勝はいつ、どのチーム・ドライバーによってもたらされる?