——「豊田章男会長の強い意思」。ここに、この記事の答えが書いてある。ラリーで勝つために通っていたはずの街で、市と財団を作り、地元のサウナメーカーと組み、水素ストーブを焚いてみせる。メカニックの交換パーツを読み上げる視線と、街のカーボンニュートラルを本気で考えるこの動きは、まったく同じ場所から出ている。モリゾウは「勝つこと」と「その土地の人と長く付き合うこと」を一緒に考えているのだ。
トヨタは水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の4領域で捉えている。FCEVも商用車も発電も、どれも重要だ。ただ、生活者から見れば、まだどこか遠い。しかしサウナは違う。フィンランドにおいてサウナは趣味ではなく生活インフラそのものだ。そこに水素が入り込めば、「水素=クルマの燃料」という枠は一気に広がる。日常の中で水素の炎に温められる経験は、水素を身近にしてくれるだろう。
パヤリの母国初優勝も、世界初の水素サウナも、根っこは同じところにある。トヨタはユヴァスキュラという街に長年通い続け、根付き、地元と信頼を積み上げてきた。サウナ事業はそういった道程に生まれた果実のひとつといえる。こういうところはクルマ好き、モータースポーツ好きとしても素直に評価したい。
なおWRC2026シーズンもいよいよ大詰め。次戦は8月27〜30日のラリー・デル・パラグアイ。粘土質の赤土グラベルが待っている。スコア次第で年間タイトルが決まる可能性もある。北欧から南米へ飛び、決戦のラリー開催まで1ヶ月弱、モリゾウが言うところの「少しでも夏休みを楽しんでください」である。ユヴァスキュラのサウナで、しっかりととのってから南米へ向かってほしい。
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