2021年全日本スーパーフォーミュラが開幕!! TEAM MUGENの野尻智紀がポール・トゥ・ウィン!!


■季節によって「旬」があるエンジンの不思議

苦戦するトヨタ勢の中、なんとか4位に食い込んだ平川亮。季節によってホンダとトヨタのエンジンに有利不利が発生するという現状はいかがなものだろうか

 今回のレース、予選、決勝とも上位にホンダエンジン勢が並び、対するトヨタ勢というと上位フィニッシュは4位の平川亮(27、carenex TEAM IMPUL)のみ。ホンダ勢の7台中5台がトップ6に入ったのに、11台のトヨタ勢のほとんどが後ろに固まっているリザルト表をみて首をかしげたファンも多かろう。

 実はこの傾向、いまに始まった話でもなければシーズンを通して同じというわけでもない。

 春先や秋口以降、気温が比較的低めで爽やかな時期はホンダエンジンが快調で、逆にうだるような暑さで人間も息絶え絶えの時期になるとトヨタエンジンが元気ハツラツになる、という状況が昨年から続いている。

 その理由を両メーカー関係者に訊ねると『エンジンの構造や成り立ちが違うから』という答えで共通している。快調なほうがズルをしているという『陰謀説』もたまに聞こえてくるが、それはまったくの都市伝説、でなければ苦しい時の八つ当たりが噂の出処だろう。

 ともあれ、暑さ寒さで状況が逆転する状況は公平といえば公平であるが、せっかく両陣営から世界基準のドライバーたちが参戦しているのだ。コース上での両陣営ドライバー同士の丁々発止のバトルが少ないどころかほとんど見られないなんて、もったいなくないか?

 「正直、今回のホンダ勢との差はひどかった。直線でついていけない、抜けない、オーバーテイクボタンの使用時間が去年の2倍になったけれど、今回はむこうだけ有利になっていたような気がする」、と重い口を開いたのは平川だ。

 「(エンジン開発凍結)規則があるので現状のまま戦うしかないけれど、SFがドライバーとチームのレースというのなら、ここまでエンジンで差が出るというのは、走る側もしんどいし、見ている人もよくわからないのではないかと。なんかちょっと残念で、どうなのかなぁと思います」。

■スーパーフォーミュラはもっとアピールを!

一流どころのレーサーたちがコンマ1秒の争いを展開しているのだ。より多くの人にアピールし、存在を周知していかないともったいない限りだ

 プロのレーサーが素人には絶対真似のできない技を駆使し、コンマ1秒を削りながら時速200キロ超の争いを展開しても、観る側にはそのスゴさがいまひとつ伝わっていないのが、いまのSFの現実だ。

 この現実を打破するために、例えば馬力調整のためのエンジンリストリクター(空気取り入れ口)の径をそれぞれ冬用・夏用で取り替えるとか、メーカー別に燃料流量を季節ごとに設定するとか、両エンジンの『性能調整』のためのアイデアが浮かぶ。

 けれど、誰が、どうやって?と突っ込まれると、筆者も口をつぐんでしまう。

 いずれにせよ、シーズンを通したタイトル争いも必要だが、レース中の両陣営入り乱れてのバトルもSFというレースのスゴさを表すためには必要。関係者各位にはさらなる知恵と実行力でSFの面白さを追求し、ひろく世間にアピールする努力を続けていただきたい。

【画像ギャラリー】外国勢不参加により全日本選手権の様相を呈したスーパーフォーミュラ開幕戦