東京オートサロン2022のBBSジャパンのブースに突如現れた見慣れないレーシングカー。強烈な存在感を放っていたので、印象に残っている人も多いだろう。実はこのクルマ、日本で最も売れている純レーシングカーで、「VITA-01(ヴィータ・ゼロワン)」と呼ぶ。
今、国内のモータースポーツでは、各地でこのVITA-01を使用したレースが盛り上がりを見せている。なぜVITA-01は人々の心を捉えているのか? その理由を探ってみた。
文、写真/青山義明
編集/奥野大志
【画像ギャラリー】超レア写真も独占公開! VITAで本格レースデビューなんてどうでしょう!?(8枚)画像ギャラリー販売台数は伸び続け国内にとどまらず海外にも
VITA-01はS-FJなどを手がけるレーシングカーコンストラクター、ウエストレーシングカーズが開発、販売する国産レーシングマシン。「モータースポーツに興味があってもなかなか初心者が参加できるレースがない」という声を基に、2009年に誕生。大型パイプを使用した高剛性セミモノコックと、大型メーンロールバーを採用し、全方向にバンパーを装備するなど高い安全性を確保。安全かつローコストでレースができるマシンに仕上がっている。
搭載するエンジンはトヨタVitz RSの1500ccエンジン(1NZ-FE型)。それに5速トランスミッションを採用している。車両重量も軽い(ドライバーを含めても600kg程度)ため、その運動性能は高い。フロントカウルは3種類のデザインのものを用意しており、選択することができ、カラーリングも合わせて個性を出すこともできる。
誕生翌年の2010年から鈴鹿のクラブマンレースにVITAレースが組み込まれたのをきっかけに販売台数は増加。公開されている販売台数だけを追いかけてみても、2013年に50台を突破し、2015年には100台、2017年に150台、2018年には200台という数字が並ぶ。販売は国内にとどまらず、台湾やフィリピンでも販売され、それぞれワンメイクのレースシリーズが発足してもいる。
車両価格は国産スポーツカーよりリーズナブル!?
VITA-01の新車価格は375万円(税別・エンジン、タイヤ、ホイールは別)。言うまでもなく、他のレーシングマシンと比べれば非常にリーズナブルである。そのうえ、タイヤとホイールを用意すれば、そのままの状態でレースに出られるというところも魅力。我々が普段使用している乗用車を購入してそれでレースをすることを考えれば少し高いと思うかもしれないが、そのままの状態でレース参戦とはいかない。そういう意味では、国産スポーツカーでレースに出るよりリーズナブルである。
エンジンは、市販車のノーマルの状態のものを搭載し封印しているので、基本的にイコールコンディションとなり、耐久性も高い。ブレーキについても車重の軽さにもあって、うまく使えば1年間は無交換で走行できるという。
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