F1史上初の政治制裁発動!! ロシアのウクライナ侵攻でロシアGP中止とスポンサー放棄の影響

■バーレーンテストが始まり、各チームともポーポシング現象へ対処

 コロナ禍の方向性が若干見えてきたところでのロシアのウクライナ侵略、ロシア・ベラルーシ選手のボイコット……と暗いニュースばかりだが、F1はいよいよ開幕間近で、バレーン・テストが始まった、既に完全な戦闘開始状態のテストだ。

 どのチームも前回のバルセロナで見出した問題点の解決策を施し、その実走テストとレースシミュレーション、タイヤデータ集積とエアロ開発等々、やらねばならないテストは山のようにある。

 そんななか注目なのはエアロだ。前回テストで各チームを苦しめたポーポシング現象への対処だ。前回のテストではフロアに応急的に切り欠きを入れるなどで空気流のディストリビューションを行い対処していたが、今回はそれをより効果的に組み込んだフロアを持ち込んだ。

 レッドブルもメルセデスも形こそ違うが空気流の逃げ道を作り出していた。これである程度の解決にはなっているので、既に相当効率の上がった対処がされたようだ。

  またフロアのフレキシビリティの問題も語られていて、メルセデスはフロア後部を数多くのワイヤーマウントで抑えていた。実際ステップのないベンチュリーフロアなので剛性を上げるのは難しい。しかしダウンフォースの発生とともに左右が路面に向かってしなり、スカートの役割をしてベンチュリー効果が上がるので、今後も車検等でこれらのトラブルが多々ありそうな気がする。

■新レギュレーションの今シーズン。全チームが化ける可能性はある

初日トップタイムはガスリー、ただポーポシング現象は完全に解決されてないようだ。2番手、3番手はフェラーリーがつけた
初日トップタイムはガスリー、ただポーポシング現象は完全に解決されてないようだ。2番手、3番手はフェラーリーがつけた

 レッドブルはリアサスペンションのプッシュロッド化で、新しいギアボックスを搭載。若干の不安を見せていたが、相変わらずフロア上面エアロにもアンダーエアロにもそのコンセプトの軸がブレないようだ。そして驚いたのはメルセデス。今回極端にスリムなサイドポッドを持ち込んだ。最大で1秒のゲインを生み出す可能性もあるというのだが。今シーズンはこれにフェラーリ型、マクラーレン型、そしてウィリアムズ型も加わるかもしれない。開幕前、まだまだ全チームが化ける可能性は残っているのだ。

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津川哲夫
 1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
 1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
 F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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