多くの作戦ミスで優勝を逃したフェラーリF1 。その責任は作戦を統括するエンジニア集団で、辞任のビノットではない。

フェラーリ内の派閥争い。後任を見ればビノット追放劇であったかがわかる

モナコで優勝確実だったルクレールがピットのミスでサインツと同時ピット。優勝を取り逃した
モナコで優勝確実だったルクレールがピットのミスでサインツと同時ピット。優勝を取り逃した

  フェラーリの組織内の派閥問題はいつも絡んでくる。今回、ビノットにチームを任せたマキオーネもカミッレーリもいなくなったので、この派閥争いが水面下で起こっていそうか、と思っていた。しかし実際は違ったようだ。アルファロメオのバスールがフェラーリのチーム代表兼ゼネラルマネージャーに就任になったと発表があった。今後のフェラーリを考えればチーム内の人事よりも、外からの風としてバスールがやってきたことは効果的かと思う。

常勝だったのはトッド、ブラウン、バーン、そしてシューマッハの時代だけ

 フェラーリは暦押しが有り強いチームとの思い込みが我らF1ファンにはあるのだが、良く考えてみると近代F1に入ってからのフェラーリの成功は、トッド、ブラウン、バーン、そしてシューマッハの時代だけである。そう、メルセデスやレッドブルの持つ定常的な強さにはまだほど遠いと言うのが現在のフェラーリなのだ。さて来年はどうなることか。

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津川哲夫
 1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
 1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
 F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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