■日本でしっかり恩返しを!
ちなみにラリー後に皆の様子を豊田章男氏に伝えた所、「望んでいる結果が出ない時こそ、人が育ち、クルマが鍛えられます」と語ってくれた。そう考えると、今回のオーストラリアでの出来事は、クルマのピンチが人を育てる大きなチャンスになったと思っている。
ただ、今回TGR-WRJのピンチを救ってくれたのは、オーストラリアのTGRA/NBMである。「なぜ、家族のようにここまで一生懸命サポートしてくれるのか?」、TMCA(トヨタオーストラリア)副社長の神埜尚之氏に聞いてみると、「先人たちが、いかなる時も現地のお客様やディーラー、仕入れ先に寄り添い、誠意を尽くし対応してきたことで、現地のトヨタファンを増やし今に繋がるブランド力を培ってきた結果だと思っています」と教えてくれた。
ちなみに現在オーストラリアで販売されるクルマの半分は日本車、そしてその中の2割はトヨタ車だと言う。
豊田章男氏は常日頃から「町一番の会社を目指す」と語っているが、今回の一連のサポートは、それを長い歴史の中で愚直に実行してきた事が、紐づいているのではないかと筆者は分析している。
ちなみに9月6-8日で開催される全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」に、今回の逆パターンでTGRAのハリー・ベイツ選手とコーラル・テイラー選手のコンビがGRヤリスRally2で参戦を行なう。
豊岡監督は「今回の恩返しではありませんが、しっかりお迎えしたいと思っています」と語る。全日本ラリー選手権のトップドライバーとオーストラリア・ラリー選手権のトップドライバーの“ガチンコバトル”にも注目いただきたい。
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コメント
コメントの使い方ドライバー育成が目的ではなくチーム全体が第一とは言いつつ、フィジカルトレーニングや食生活、動体視力を落とさない方法などまで個別に対応してると聞きました。育成ドライバーにとって最高と言える環境。
こういったやり方が今はSNS等で共有化され、他環境でも負けていられない!と変革に繋がり、若手ラリースト全体の底上げにつながっていくと思います。