R32GT-R、80スープラらに搭載されたニッポンの名機を中古で狙おう

R32GT-R、80スープラらに搭載されたニッポンの名機を中古で狙おう

 EVやFCVの技術が確立し、今後はますますそれらの存在が大きくなりそうだ。

 しかしニッポンには数々の「名機」とよばれるエンジンがある。まだまだ乗れるニッポンの「名機」にベストカーWEBでは触れていきます。

 今回は直列6気筒の名機たち。中古車で狙うなら今がチャンス!?

文:WEB編集部/写真:ベストカー、日産、トヨタ


レースのために生まれた直6を味わう

 日本を代表する「直6の名機」といえば、日産の「RB26DETT」が挙げられるだろう。

 当時の日産はRB26DETTを初搭載するR32スカイラインGT-Rを、グループAレースで絶対的な存在にすべく開発中だった。「グループAで勝つ」、それが第一目標だったクルマだ。

 2.6Lという非常に中途半端な排気量は、当時のグループAカテゴリーのレースで優位に戦うために決められたもの。

 グループAではNAエンジンとターボエンジンの出力差を補うために、ターボエンジンには「1.7」の係数がかけられた。2.0Lのエンジンならば3.4LのNAエンジンと同等クラスということだ。

 生産ラインの関係から排気量を「2568cc」に定められたRB26DETTは、係数の1.7をかけると4365ccのNAエンジンと同等クラスになる。

 その性能はあまりにも高く、グループAの晩年は「R32のワンメイクレース」とまでいわれるほど強かった。

 そんなRB26DETTを味わえるのはR32〜R34までの第二世代スカイラインGT-R(イレギュラーな搭載事例もあるが)。

 日に日に中古車価格が高騰しており、最後のRB26DETT搭載車のR34は現在では新車価格以上の個体も多い。R32は圧倒的な人気もあるが、修復歴ナシ、走行距離10万km以下になると300万円台後半の価格帯も。

 25年も前のクルマなので経年劣化もあり、買ってすぐにRB26を味わうというのも難しい。

 そこで候補にあがるのがR33だ。ホイールベースが延びた大きなボディが当時は人気がなく、R34よりも軽量ながらなぜか現在でも「ボテッとしていて重い」といった印象をもたれる。

 しかし実際はR32から剛性面など着実な進化を遂げているし、なんせ中古車価格は常識的な価格帯だ。

 スタイリングの好みはあるが、後席の居住性も含めて実用性も高くオススメだ。狙いはHIDライトやスタイリッシュなステアリングなどを装備した後期型だが、パーツ自体は後から交換できるからそこまで固執しなくてもOK。

 こだわりがなければVスペックの必要性はなく、スタンダードモデルで充分。またできればチューニングがされた個体はなるべく避けたい。

 最近ではチューニングショップがカルテを製作しているから、そのような履歴が残っている個体なら安心だ。

 出自がレースエンジンのRB26。さらに足回りは豪華なマルチリンクでその性能をフルに発揮していたGT-Rだから、すべてリフレッシュするとなると200〜300万円程度はかかってしまうのも頭に入れたい。

 ただ日産とニスモはいまも部品供給を続けており、全国には専門店も無数にある。予算と相談しながら、その性能を取り戻すことは可能だ。購入予算+100万円は確保しておこう。

【R33 スカイラインGT-R】
狙い目:走行距離10万km以内、修復歴ナシ、ノーマルに近い個体
価格帯:250-300万円前後
中古車情報はこちらから

R32〜R34まで搭載されたRB26DETT。6連スロットルの採用や、感性に訴えるサウンドも魅力だった。R33のエンジンルームには純正でタワーバーがつく
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R33は現代の目線からするとコンパクトだ。空力や車体剛性もR32から着実に進化しているが、不遇の時代が続いてしまった
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