ラインナップを絞ってもなぜヴォクシーは好調?
ヴォクシーが3ナンバーのエアロバージョンのみに絞られ、ノアが5ナンバーと3ナンバーモデルの両方を継続し、ワイドバリエーションなのに、なぜヴォクシーの方が好調なのか。それは販売の中心になっている両モデルの特別仕様車のデザインの差といえる。
ヴォクシーは「ZS煌II」でノアは「Si W×B」であるが、ZS煌IIの方はフロントマスクがひと目でそれと分かる圧倒的な存在感がある。両特別仕様車だけで比較すると販売台数は月販で2倍も差がある。
こうなると何年か愛用して代替えで下取りに出す時、5年の経過でも10万円以上の違いが出てしまうことになっている。
こうしたことを考えると次期型を開発するメーカーのトヨタ開発陣としては、ヴォクシーを廃止するわけにはいかないから、継続の道をチョイスすることに切り替えたようだ。
もともと同じモデルであるから、1本化か2本立てのどちらを選ぶかは決断すればすぐにどうでも対応が可能なはずである。エスクァイアの消滅は現在の販売実績から見てもほぼ確実といえるだろう。
次期型はノアが5ナンバー、ヴォクシーが3ナンバーで差別化
次期型の商品内容はどうなるのか。基本的にはキープコンセプトであるが、トヨタの次世代クルマづくりの新しい考え方である「TNGA」による新開発のプラットフォームを採用する。
3列シート7~8人乗りは従来通り。7~8人乗りの差は、2列目が3人掛けのベンチシートか、2人掛けのキャプテンシートの違いである。
7人乗りの方が販売台数は70%程度と多いが、ライバルのセレナやステップワゴンも両方を設定しているので、対抗上これに倣う意味合いもありそうだ。
ボディサイズはノアが5ナンバーの標準タイプ、ヴォクシーは3ナンバーの上級&スポーツバージョン仕立てに分ける見込み。現行ノアの3ナンバーエアロバージョンはヴォクシーに押され、ほとんど売れない状況にあるためだ。
パワーユニットは直噴2L・NAと同ハイブリッドを搭載する。ハイブリッドは従来の1.8Lから2Lに拡大する。すでにレクサスUX250hに搭載されておりこれを移植する。2WDのほか4WDも設定する。
2L化はステップワゴン・スパーダハイブリッドに対抗させる狙いもある。これによって低燃費&高性能の両立をさらなる高次元で両立させる構えである。
販売現場もヴォクシーの人気の高さを指摘
【証言1:首都圏ネッツ店営業担当者】
ヴォクシーは現在、特別仕様車の「ZS煌II」が全体の80%を占めるようになっている。ノアも5月から売れるようになったが、大半がヴォクシーを選んでいる。フロントマスクの押し出し、デザインの良さが受けているためだろう。
メーカーとしてはノアが先に発売になった経緯から、こちらに1本化する予定のようだったが、ヴォクシーの方が売れ行きは良く、リセールバリューも高いので、次期型でも継続するようにしたものと思われる。
【証言:2首都圏カローラ店営業担当者】
カローラ店としてはノアに1本化して欲しい気持ちがあるが、実際の販売ではヴォクシーの方が多くなっているので、両モデルを残して世代交代するのはやむを得ないと思う。
ノアの方が幅広い層に売れており、最初に発売された経緯があるので、名称が継続されるのは自然だろう。
ヴォクシーは若い男性、子供の小さい若いファミリー層、ノアは女性層に多く浸透している印象がある。
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