2013年の東京モーターショーで公開されたIDxは日産の本気を感じさせた
2013年の東京モーターショーでは510ブルーバードを思わせるIDxを公開。セダンというかクーペというか、コンパクトFRをイメージさせるスポーツモデルも提案している。
残念ながら、最新の情報では、日産デザイン本部の上層部の一人がIDxの市販化の予定はなかった、と証言し、日産にシルビアクラスのFRの計画は存在していない可能性も示された。
これをそのまま正直に受け取れば、シルビア後継車登場の可能性をレポートしていてきたベストカーとしては、本当に残念。
ひと言釈明させてもらえるならば、自動車メーカーには同じ開発グループのなかにもさまざまな部署があり、企画が決まり、デザインに入る企画以外に、陽の当たらない長く研究を続けているところもある。
そうしたところから入ってくる情報もあり、このクラスの次世代FR車はどうあるべきか、というテーマで研究しているセクションもあり得る。
新しい時代のコンパクトスポーツはやはり必要だろう
ただ、もし今後、日産がシルビア後継車のような小さめのFRスポーツを作るとしたら、これまでのような、2Lクラスの直列4気筒エンジンや、あるいはダウンサイジングの1.5Lクラスのターボエンジンを使ったガソリン車になる、という説があるが、そうはならないと思う。
これから開発が進み5年後の2025年くらいにデビューするとしても、もはや電動化技術を外すことはできない。
特に日産は世界的に見て電動化に対しては先発メーカーで、この技術に関しては世界をリードしてきたように思われている。
日本の多くの日産ファンも、おもしろいクルマ作りにその技術を使わず、EVだけに特化して使ってきたと思われていた。
その点からいってもこうした新しいトライアルには電動かは必須だし、これからの時代それがなければ生き残れない。
日産はリーフのような量産型EVで先行してきたが、今や、時代は大きく変わりつつある。日本では普及が進まないなか、世界レベルではEVが急速に伸びている。
2020年1〜5月の世界のEV販売台数の1位はテスラで約12万8000台。これに対し、日産は約2万2000台で11位という数字だ。2位がBMW、3位がVWとなっており、後発メーカーに大きく後れをとっている。
EVでは先行していたと思われていた日産は実はそうではなかったことにショックを受けるが、だからといって日産に技術がないわけではない。
テスラはEVに特化したメーカーだが、日産には長い歴史があり、内燃機関と組み合わせたe-POWERのような武器もある。
時代が完全にEVに切り替わる前に持てる技術を使った新しいコンパクトなFRも当然作れるはずだし、もしかしたら、完全なEVでも新しい時代のスポーツモデルも可能なはずだ。何よりそうしたクルマを多くのファンが求めている。
テスラの例を見てもわかるように、モデル3は未来的なセダンで、性能はとにかく速くスポーティだ。
モデルYは小型SUVとして注目されている。日産も今後行くべき道は安い量産車だけではなく、電動化したモデルでも完全なEVでもSUVやスポーツクーペ、あるいは高級車市場に打って出ることもあり得る。
これも時効(?)だが、日産のCADデータでエンジンとモーターを一体化した図面も見たことがある。「それ」が何だったのか、まだ世に出ていないが、もしかしたら新しいFR用の電動ユニットなのかもしれない。
そうなれば次世代シルビア後継車だけではなく、スカイラインやセドリッククラス、あるいはサファリなどにも応用できる可能性もあるように思われる。シルビア後継車はなくなったとは、まだ言えないのかもしれない。
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