2020年5月以降のトヨタ全店扱いになったことも原因
また2020年5月から、トヨタの全店が全車を扱う体制に移行したことも影響した。
従来のヴィッツや2020年2月に発売された時点のヤリスはネッツトヨタ店の専売だったが(東京地区など一部を除く)、2020年5月以降は、トヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店でも販売している。
ネッツトヨタ店の店舗数は全国に約1450箇所、4系列すべてなら4600箇所だから、今は販売網が3倍以上に増えた。
一方、アクアは2011年に発売された時から、トヨタ4系列の全店が扱っていた。そのために以前は絶好調に売れたが、今はヤリスも全店扱いになってアクアと同じ条件になり、アクアからヤリスへの乗り替えも発生している。
このようにヤリスハイブリッドはアクアに比べて安全装備、運転支援機能、燃費などが勝り、全店扱いにもなったから好調に売れるのは理解できた。
それなら逆に、アクアが注目される機能はないのか。この点も販売店に尋ねた。
「ヤリスにはディスプレイオーディオが装着されていますが、中高年齢層のお客様には、従来型のオーソドックスなカーナビが好まれる傾向もあります。
またヤリスにCD&DVDデッキを装着すると、助手席の下に設置されるので、運転席からは操作できません。
これらが不満でアクアを選ばれるお客様もおられます。またヤリスでは値引きはほとんどできませんが、アクアなら特別仕様車のSスタイルブラックとSグランパーを中心に、相応に金額を引き出せます。ほかのグレードも値引きが多く、法人のお客様はアクアを選ぶことが多いです」。
アクアのフルモデルチェンジはいつ?
気になるのはアクアが今後どうなるのか、だ。この点についても販売店に尋ねた。
「アクアは2021年8月に、一部改良を行う話を聞いています。現行型の発売は2011年なので、時期的にはヤリスをベースにしたフルモデルチェンジだろうと思いますが、現時点で聞いているのは一部改良です」。
常識的に考えればフルモデルチェンジだろう。しかし昨今の事情で開発が長引いている場合、一部改良を実施して1年から1年半ほど作り続け、その後にフルモデルチェンジすることも考えられる。さまざまな説が飛び交っている。
ヤリスの開発者は以前「ヤリスのプラットフォームは入念に作り込まれ、さまざまな車種に対応できます」と述べている。
そのためにヤリスが2020年2月に発売された後、8月には早くもヤリスクロスを加えた。
この流れでルーフの低い5ドアクーペ風の新型アクアを開発することもあるだろう。
ハイブリッド専用の上質なプレミアムコンパクトカーで、プラグインハイブリッド仕様を設定することも考えられる。
このほかヤリスのプラットフォームを使った以前のファンカーゴに相当するハイトワゴンも想定される。
内外装はルーミーよりも上質に仕上げて特徴を打ち出す。つまりダイハツ製のルーミー/ライズ/パッソはベーシック、ヤリスをベースにしたトヨタ製は上級シリーズとするわけだ。トヨタのコンパクトカーのワイドな展開に期待したい。
ベストカーの情報では2021年3月にフルモデルチェンジという情報
文/ベストカーweb編集部
最後に、ベストカー本誌が調査したアクアの最新情報をお伝えしておこう。
新型アクアの気になるデビュー時期は2021年3月頃と予想している。基本プラットフォームはヤリスと共通で、パワートレーンもヤリスハイブリッドと同じ直3、1.5L+モーター。
操縦性も動力性能も現行型から大きく引き上げられる。WLTCモード燃費も36km/L前後となり、実燃費は現行型よりも大幅によくなる。
スポーティさを強調し、後席や荷室をやや犠牲にしたヤリスに対し、新型アクアは後席スペースや荷室の広さなどを確保して、使い勝手のよさをアピールすることでヤリスとの差別化を明確にする。
アクティブでスポーティなイメージをアピールするヤリスに対し、新型アクアはソフト路線を目指し、インテリアなども明るく開放的な雰囲気でまとめるという。
ターゲットユーザーは女性をメインに幅広い年齢層に間口を広げたコンパクトハイブリッドモデルとして乗りやすさや使い勝手のよさを前面に押し出すことになる。
現行型では全高が1455mmとやや低いのだが、ヤリスの1500mmよりも高くなり、後席居住性もアクアのほうがよくなるという。
以上が現在入手しているアクアの情報。今後、新しい情報が入り次第お伝えしていこう。
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