どうなるマツダ どうする直6FR! このご時世に高級化へ舵をきったマツダの命運を占う

直6+FRプラットフォーム、次期マツダ6の発売は2022年3月!

CX-5より先に、2022年3月にもデビューが計画される新型マツダ6は、プラットフォームを共用して開発される兄弟車。直6搭載のFRサルーンだ(CGイラストはベストカーが製作したもの)
CX-5より先に、2022年3月にもデビューが計画される新型マツダ6は、プラットフォームを共用して開発される兄弟車。直6搭載のFRサルーンだ(CGイラストはベストカーが製作したもの)
全長は4900mmにも迫る大型サルーンで、プラットフォームを共用するとはいえ、ホイールベースはこちらが150mm程度長い。ガソリンエンジンのほか第2世代クリーンディーゼルも加わる(CGイラストはベストカーが製作したもの)
全長は4900mmにも迫る大型サルーンで、プラットフォームを共用するとはいえ、ホイールベースはこちらが150mm程度長い。ガソリンエンジンのほか第2世代クリーンディーゼルも加わる(CGイラストはベストカーが製作したもの)

 FRプラットフォームと並行してこの開発作業を行うのは、マツダ技術陣としても容易なことではないが、環境対策優先という流れのなかではFRプラットフォーム計画のスローダウンはやむを得ない。

 開発から製品化まで4〜6年を要するのがクルマという商品の難しいところだが、社会情勢の変化にこれほど自動車業界が翻弄されたのは歴史上、石油危機以来のことではないかと思う。

 しかし、FRラージプラットフォーム計画が依然としてマツダ飛躍の切り札であることを忘れてもらいたくない。中期経営計画見直しのプレスリリースの中には、さりげなくそんなメッセージが掲載されていることにも注目すべきだろう。

初めて直6エンジンの写真が公開された(出典:マツダ)
初めて直6エンジンの写真が公開された(出典:マツダ)

 ブランド価値への投資(技術/商品):足場固め(この先2年)と題されたページではじめて公開されたのは、開発中の縦置きFR用エンジンの写真。その隣には、ロータリーレンジエクステンダーのパワーユニットの写真(こちらはFFスモールプラットフォーム用)もある。

 FR用エンジンの写真は、中央に直4、PHV用のパワートレーン、その左右にディーゼルとガソリンの直6を配置するという構図。ご丁寧なことに直6はそれぞれのシリンダーヘッド(燃焼室側)まで公開している。

 この写真からわかることは、直6ディーゼルは当然として、直6ガソリンもターボ過給なこと。つまり、ガソリンは今のスカイアクティブXとは異なる燃焼アーキテクチャーで、このほかにスカイアクティブX仕様があるのかないのか、大いに興味をそそられる。

 また、直6はオイルパンに前輪ドライブシャフトのアウトプットのある4WD仕様。FRベースで高性能化してゆくと、どうしても4WD化が必須となる。直6はディーゼルもガソリンもかなりハイパワーであることが想像に難くない。

マルチ電動化技術はトヨタとは異なるユニット!

マルチ電動化技術として発表された写真。これはロータリーエンジンを用いたシリーズハイブリッド(もしくはレンジエクステンダーEV)とみられる
マルチ電動化技術として発表された写真。これはロータリーエンジンを用いたシリーズハイブリッド(もしくはレンジエクステンダーEV)とみられる

 もうひとつのFR用直4、PHVは今回はじめてその存在が明らかになったものだが、高電圧ケーブルがフライホイール付近にコネクトされているところや、トランスミッションケースの形状から想像するに、メルセデスの直6(M256型48Vマイルドハイブリッド)か、あるいは日産のV6ハイブリッドと似た1モーターレイアウトのように見える。

 ということは、トヨタ方式(THS)とは異なるハイブリッドシステムということ。前述のとおりマツダはTHS採用モデルを増やすことを明らかにしているが、あるいはスモールはTHS、ラージはそれとは異なるシステム、そんな棲み分けを考えているのかもしれない。

 このFRプラットフォーム第一弾が次期マツダ6になるのか、あるいは次期CX-5になるのか不明ながら、市場性を考えると現在人気のSUV、つまり次期CX-5のほうが先にデビューする可能性もある。

直6エンジン搭載を前提とした縦置きプラットフォームにより、フロントアクスルからバルクヘッドの距離が長くなり、新型CX-5のプロポーションは伸びやかでスタイリッシュに(CGイラストはベストカーが製作したもの)
直6エンジン搭載を前提とした縦置きプラットフォームにより、フロントアクスルからバルクヘッドの距離が長くなり、新型CX-5のプロポーションは伸びやかでスタイリッシュに(CGイラストはベストカーが製作したもの)
全長は4600mm程度になり、現在のCX-5と比べてひとクラス上のサイズ感になる。BMW X5やベンツGLCと直接対峙できるクォリティを目指す(CGイラストはベストカーが製作したもの)
全長は4600mm程度になり、現在のCX-5と比べてひとクラス上のサイズ感になる。BMW X5やベンツGLCと直接対峙できるクォリティを目指す(CGイラストはベストカーが製作したもの)

 直6といえばメルセデスとBMWが強力なライバル。後発となるだけに当然それらをベンチマークとして開発されているはずで、次期CX-5やマツダ6があんな感じで走ってこんな感じで曲がるのかと想像すると、いやがうえにも期待が高まるのを禁じ得ない。

次ページは : 次期クラウンはマツダからのOEM供給車?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!